生の音楽に触れ、大いに感動したし泣いた。
この時期、中学や高校の定期演奏会は「卒業コンサート」という意味を持つ。
部員たちは、いろんなことがあったはずだ。
学業との両立、親の理解不足や部内の人間関係。
指導者の要求に応えられないもどかしさ。
後輩たちは先輩との思い出がある。いろんな想いを胸に、演奏が始まる。
スローパートやソロでは、ごまかしがきかない。
単調なロングトーンをどれだけこなしたかが音に出る。
緊張感が伝わってくる演奏に、観客は大いに酔った。
ポップスステージもかなり楽しめる内容だ。
その高校でも、少子化の波が大きな影響をもたらした。
部員はやっと30人を超える。しかも女性部員ばかり。
人気の集まりやすいフルートや花形のトランペットでも明らかに不足していた。
大編成ではコンクールに出られず、小編成でコンクールに出た。
逆境にめげず、地区で金賞となり県大会まで進んだ。
その中にあって、すごい素材を見つけた。
パーカッションを担当する彼女は素晴らしい素質を持ち、「キレ」があった。
全国金賞のメンバーになってもおかしくないほどの実力。
こうした演奏者を放っておくことはない。
大学や市民楽団でもう一度、彼女の演奏を聴きたい。
演奏会が終わった後、声をかけた。
残念なことに彼女は進学するものの音楽からは離れるという。
進学先が、音楽活動をできない環境だからだという。
考えてみれば、全国金賞の主要メンバーでも音楽から離れる学生は多い。
実に多くの人材が失われているのが現実。
演奏会は、卒業する8人を紹介して終わった。
いつものように、涙で終わる演奏会。
パーカッションの彼女は指導者から、高く評価されていた。
「高いハードルを一度でクリアできる能力の持ち主」という紹介は妥当だ。
実は明日も演奏会に出かける。
今度はどんな演奏者に出会えるだろうか。
皆さんも、近くのホールに出かけてみるといい。
多くが無料の演奏会で、「学園ドラマの最終回」に出会える。
「このメンバーでの演奏が最後」という独特の雰囲気は、まさにプライスレス。
きっと泣けるよ。
素晴らしい演奏会だった
同じ時間を共有できたことを誇りに思う
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