実業界と家族の愛憎。
万俵大介は阪神銀行頭取。
都市銀行では預金額10位だが、業界再編の動きがある。
大介は預金高を9位以内にし、「小が大を呑む」合併をしたい。
長女の夫、美馬中に合併候補となる銀行の調査内容を漏らすよう求める。
家には二人の妻がいる。妻妾同衾という異常な世界だった。
本妻の寧子は貴族の出で家事や子ども達の教育はできない。
彼女に代わって家を切り盛りするのが相子。
アメリカ人と結婚し、離婚経験のある彼女は語学ができ頭が切れる。
家庭教師として万俵家にやってきた。
閨閥作りのため、政略結婚が繰り返される。
執事として相子は縁談をまとめる。
長男の鉄平は東大で冶金を学び、今は系列の阪神特殊鋼で専務。
一貫生産のため、高炉建設に情熱を燃やす。
次男の銀平は銀行出課長をしているが、家に帰りたがらない。
縁談も人任せで、何事も覚めた目で見ている。
***** **** ***** ****
上巻から文庫で650ページと大長編。
力作ばかりの山崎らしい重さ。
今後、鉄平の念願である高炉建設はどうなるのか。
大同銀行との銀行合併は大介の狙い通りうまくいくのか。
鉄平は大介の子なのか。それとも、祖父の子なのか。
今後明らかになるはず。
銀平の結婚生活はうまくいくのか。
読んでいて感じたのは、名門の家に生まれると苦労が多いということ。
こんな家にいたら気が狂ってしまいそうだ。
というわけで中巻に続く。
*****トラックバックはテーマに関係するもののみどうぞ。
スパム防止のため承認制です。その場合リンクは必要とはしません。
一部、こちらからはトラックバックを送れないブログがあります。
コメントについても承認制です。コメントする人は、まず挨拶しましょう。
【関連する記事】