2015年03月21日

「モップの精は深夜に現れる」近藤史恵

「天使はモップを持って」に続く、シリーズ第二弾。
清掃員キリコの行く先には事件が起きる。

 
 ↑映画「舞踏会の手帖」(" le carnet de bal ")

「悪い芽」

栗山は会社内でのコミュニケーションに悩む課長。
家では13歳の娘が口をきいてくれない。

職場では新入社員が二人来た。新しい部長も就任。
キリコが異変に気がつく。

キリコの言う「愛のある無関心」は名言。
世の父親たちは、耳が痛いかも。

「鍵のない扉」

5人しかいない小さな編集プロダクションに勤務するくるみ。
容姿と名前のアンバランスが気になる。

ある日、社長が出社しない。
自宅に行ってみると死んでいた。

彼女は喘息だったという。猫アレルギーだった彼女。
病死として処理されたがキリコは事件だと判断する。

「オーバーザレインボウ」

モデルの葵は恋人だと思っていたケンゾーに捨てられた。
同僚で葵より売れていたサーシャが妊娠し、父親がケンゾーだという。

沈む葵は事務所の屋上に閉じ込められる。
不穏な空気をキリコが察知、謎を解く。

 

「きみに会いたいと思うこと」

キリコの夫、大介の目線で描かれた作品。
祖母の介護をこなすキリコ。

トイレに行った際、祖母は転んで肋骨にヒビが入る。
キリコは1ヶ月旅に出たいという。

以前記事にした「シフォン・リボン・シフォン」と同じく介護が描かれている。
近藤は、このテーマに拘っている。

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「軽く読める謎解き」なのだが、実は喪失と再生の物語。
この深さが近藤の魅力でもある。

近藤と言えば、自転車ロードレースを描く「サクリファイス」シリーズ。
そして女性同士の人間関係について書いた「はぶらし」という作品もあった。

そればかりではない。時代小説も出している。
近藤史恵というのは、実は3人くらいいるんじゃないか。

いろんな引き出しを持つ作家の近藤。
今後も彼女の活躍に期待したい。

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モップの精は深夜に現れる(近藤史恵) 感想

『モップの精は深夜に現れる』 近藤 史恵

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