「サラバ!」で直木賞を受賞した彼女は、活きのいい作家のひとり。
西加奈子の作品は、「ふくわらい」と「さくら」以来。
この本は、思いっきり突き抜けている。
「太陽の上」
中華料理屋「太陽」の上にあるアパート。
1階が料理屋、2階が「太陽」の夫婦。
そして3階の301には主人公の女性が住む。
彼女は、引きこもりで部屋から出ることなく暮らしていた。
料理屋の女将は、セックスレスのため店のアルバイトを誘惑していた。
引きこもりの彼女は、漏れる言葉をノートに記録していた。
「空を待つ」
主人公の作家は、散歩の途中で携帯電話を拾う。
持ち主になりきり、「あっちゃん」とメールを交換する。
「甘い果実」
書店で電話対応している女性が主人公。
作家の山崎ナオコーラが気になる。
山崎のサイン会に行った彼女。
なんと、リアルの山崎はオジサンだった。
「炎上する君」
男に縁のない浜中と梨田は32歳。
垢抜けない容姿から「戦中」「戦後」と呼ばれる。
二人はバンドを組むことに。
銭湯で「足が炎上している男」を見かける。
彼に会うと、運河向上するという。
「トロフィーワイフ」
ひさ江は、孫の枝里子のことを「まごちゃん」と呼ぶ。
トロフィーワイフはひさ江のこと。
パンツ、クラブ、彼氏のアクセントに膝を叩いた人も多かっただろう。
「私のお尻」
珍しい、尻のパーツモデルをしていた女性が主人公。
ある男に声をかけられる。
尻をD室に入れないかという。
「舟の街」
主人公は30過ぎの失恋した女性。
参ってしまった彼女は舟の街に行く。
まきちゃん巨乳だったんだね。
主人公を振った男はオッパイ星人だったんだ。
「ある風船の落下」
世界的に蔓延した「風船病」という病気。
ストレスが原因で、体が膨張する。
末期になると、空中に浮かび姿が消える。
苛められていたハナも空に消える。
空の上には世界中から多くの人が来ていた。
そこでは言葉が通じ、食べなくても死なない。
眠る必要もない。
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この作品集は、好き嫌いが分かれるに違いない。
「これは凄い!」と思うか、「なんだこれ!」で終わるのか。
どちらにしろ、突き抜けた作品を続けるところは流石。
この本の書評を書くのは難しい(汗)。
列車に乗っている時、隣に座っている人が時々笑う。
「この人、どんな本読んでいるんだ?」と思ったらこの本かもしれない。
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