完成度が高い作品。ネタばれあり。
多摩川の土手に放置された軽自動車の中から、左手首が見つかった。
工務店を経営していた中年の男のものだった。
大量の血痕から、殺人事件と判断される。
警部補の姫川玲子は、捜査班を率いる。
玲子の嫌いな日下班も捜査に参加。
カンに頼る玲子とは対照的に、日下は一切の予断を排除する。
作業員の転落死と保険金。他人になりすます関係者。
次々と明らかになる事実。
事件の背景には何があるのか。
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読んでいて思い出したのが「火車」(宮部みゆき)。
悪意を持った人ほど恐ろしい存在はないと再認識した。
その反面、事件を追う刑事たちのキャラが立っている。
玲子と菊田の関係はもちろん、殉職した大塚の代わりに入った葉山。
彼にもトラウマがあった。
マシンのような日下は父親としての悩みが。
関西弁の井岡は、雰囲気作りに必要なメンバー。
また、悪人に対する対抗法としてアガサ・クリスティの精神にも似ている。
「オリエント急行の殺人」「そして誰もいなくなった」。
ポアロ最後の事件「カーテン」なども連想した。
事件解決の鍵となるDNA鑑定についても納得できる内容。
作者の取材がかなりの細かさであることを証明している。
戸部を殺した犯人が、どこにいるか。
はっきりとした複線があったにもかかわらず、玲子より先に読めなかった。
ミステリー読者として、作者に「してやられた」。
どうして気がつかなかったのか。修行が足りない(笑)。
誉田の作品は私の好み。
残された三島耕介についても、厳しい現実はありながらも希望のある終わり方。
玲子と日下がまったく違うプロセスで同じ結論に結びつく点は興味深い。
このシリーズはもっと読むべきかもしれない。
剣の道を描いた「武士道シックスティーン」にも興味がある。
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