4人の素人が推理する。ネタバレあり。
貫井といえば「灰色の虹」や「慟哭」「乱反射」で知られる。
これは問題作といえる。
自宅で若い教師が死んでいた。
死因はアンティーク時計による殴打。
彼女の家には、睡眠薬入りのチョコが送られていた。
さらに、進入目的なのか現場の窓ガラスが割られていた。
<scene1>
亡くなった山浦の教え子、小宮山。しっかり者の女子、山名と事件について考える。
チョコに睡眠薬を入れることができたのは誰か。
小宮山たちは、山浦が住んでいたアパートの大家に会いに行く。
そして南条が怪しいと考える。
<scene2>
山浦の同僚、桜井が事件を追う。
かつて山浦とつきあっていた男が怪しいと考える。
もし医師なら、チューブを使ってチョコに睡眠薬を入れることができる。
桜井が導き出した答えは何か。
<scene3>
医師で、山浦に振り回されていた井筒。
別の視点で事件を考える。
桜井が考えるように、医師であればチューブを使って睡眠薬を入れることは可能だ、
しかし、井筒は眼科医なので無理。
山浦の日記を手に入れた井筒は、彼女が不倫していた相手が誰なのか考察。
そして、日記の日付が改ざんされていることを見破る。
<scene4>
小宮山(父)は、山浦と不倫の関係だった。
父母を対象にした学校の説明会に出席した小宮山。
厳しい指摘を学校側にする。
南条が怪しいと、彼の自宅まで押しかける。
そして、南条を殴ってしまう。
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山浦の評価が人によって大きく違うのが興味深い。
そこがこの作品のタイトルにも関係している。
彼女にかかわらず、誰もが多面的な評価を受けるもの。
この作品を読んでいてい出したのが「告白」(湊かなえ)。
そして「柔らかな頬」(桐野夏生)。
両作品を読んだ方なら、私の言いたいことが理解できるはず。
「毒入りチョコレート事件」(バークリー)のオマージュになっているという。
いつか読まなければ。
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