元銀行員のタクシー運転手を描く。
主人公、牧村伸郎は元都市銀行のエリート。
課長までいったが、上司に対する言葉が原因で退職した。
妻はパートに出て、娘や息子の家族は生活費をまかなっている。
再就職の口はあったものの、プライドが高く断ってしまう。
公認会計士の試験を受けるものの、一次で落ちる。
広告で見たタクシー運転士に応募する。
時間があると思っていた勤務だったが、とてもではないが厳しい現実が待っていた。
24時間勤務の上、売り上げノルマが厳しい。
円形脱毛症まで出来てしまった。
そんな中、昔の彼女がどうしているか気になる伸郎。
彼女の実家がある桜上水に行き、離婚した彼女を見つける。
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誰しも、「あの時、ああしていれば」という分岐点があるもの。
人間の妄想というものは限りない。しかし現実は甘くはない。
アンソロジーで、タクシー運転手を主人公にした一冊が出せないものか。
企画としては「あり」だと思ううのだが、どうだろう。
重松清とか、いい短編を書きそうだけど。
カラオケを搭載したタクシーで、泣いた女性に歌唱指導される部分が笑える。
タクシーは、まさしく人生の縮図だ。
作者も楽しんで書いているんだろうという想像ができる作品。
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