2014年09月21日

「おれのおばさん」佐川光晴

進学校に通う主人公の中学生。
しかし、父親の横領で児童養護施設での生活が始まった。

 
↑作品に出てきた北大キャンパス。いい環境だなあ

主人公は中学2年の高見陽介。
名門中学にいたが、銀行勤務の父親が3500万円を横領した。
その金で愛人にマンションを買ったという。

家は差し押さえられたので住めず北海道にいる母の姉、恵子を頼る。
陽介は彼女が運営している児童養護施設で生活することに。
この施設で陽介と仲がよくなったのが卓也。

転校した公立中学で、陽介は成績がトップに。
そのため他の生徒から恨まれてトラブルも起こる。

介護の仕事を住み込みでしていた母は過労と心労がたたって倒れてしまう。
父親は懲役5年の求刑だったが2年の判決が出る。
施設でも問題は多く、恵子は吐血し入院することに。

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言いたいことがあるけど言えない。
恵子おばさんはそれが言えてしまう人物。

施設で生活するところや、鉄道のたびが出てくるのは「鉄童の旅」と同じ。
この作者、一筆書き乗車とかしたんだろうなあ。

後半、描写でなく説明になっている部分が増えて残念。
作者には力量があるように思えるのだが、どうしたもんだろう。
私自身は登場人物に感情移入できなかった。

この作品、続編が出ている。
陽介の恋はどうなるのか。おばさんの芝居はどんな展開を見せるのか。

この先を読むにしろ、優先順位は低い。
図書館で見かけたら読むというところか。

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