2014年09月10日

「魔術はささやく」宮部みゆき

現代社会を鋭い視線で描写した、宮部初期の作品を久しぶりに再読。
第2回日本推理サスペンス大賞受賞。

 
↑終盤、舞台となった有楽町マリオン

主人公は高校1年生の日下守。
父親は市役所の財務課長補佐だったが5千万円を横領し、失踪した。

母の啓子は1年前に脳血栓で亡くなった。
守は東京に住む啓子の姉、より子の家で生活している。

より子の夫、大造は個人タクシーの運転手。
ある夜、大造が事故を起こしたという電話が入る。

この事故で若い女性が死亡した。
守は亡くなった女性のことを調べるうちに、ある雑誌のことを知る。

雑誌が企画した座談会に参加していた女性たち。
連続して彼女たちが死んでいるのは何か意味があるのか。
守はじいちゃんから授けられた特殊技能を駆使し、事件の真相に迫る。

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20年ぶりになるかというくらい、前に読んだ作品。
ネットはもちろん、携帯電話もない時代にもかかわらず作品は新鮮。

何より、会話がイキイキしている。
守があねごと話している時、弟の伸二が割り込んでくる場面などはとても楽しい。
「何を立ててるって?」「誰が誰を好きだって?」というジャマは笑えた。

しかも、厳しい現実を描いていながら救いになる脇役も出てくる。
例えば岩本先生やアルバイト先の高野など。

特に、「浅野さんのタクシーは、命を運んでいるのです」(文庫P391)という手紙。
泣かせるねえ。

今後についても希望が持てる終わり方。
三田村は高木のことを守り続けるだろう。
高野と真紀はどうなるのか?あねごと守は?

本屋の万引きについては、今でも状況は変わっていない。
先日も「まんだらけ、顔写真公開を中止」という記事を書いたくらい。

新潮文庫の解説は北上次郎。
<描写>と<説明>の違いから、宮部の作品を賞賛している。

この点については私も同感だ。
何度か<描写>と<説明>については私も書評でも書いている。
両者を区別できている作品は、多くが優れていると言っていい。

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