2014年10月30日

「興奮」ディック・フランシス

障害レースに八百長はあったのか。
競馬シリーズの中でも人気のある一冊。ネタばれあり。

 

主人公ダニエル・ロークはオーストラリアで種馬の牧場を経営していた。
彼の牧場に、オクトーバー伯爵が来る。彼は英国で障害協会の理事をしている。

英国の障害レースに異常が起きているという。
馬が興奮し、大穴が発生しているというのだった。不正かもしれない。

オクトーバーは英国にいたことのあるロークにこの件を依頼する。
以前記者に依頼したところ、記者は事故死した。

興奮剤投与が疑われたが、検査の結果はシロ。
今後も不審な大穴が出る可能性がある。

ロークは両親を事故で失い、二人の妹と弟がいる。
自身は進学しなかったが、妹たちの学費を稼ぎたい。

この件での報酬は2万ポンドという。
調査内容に興味を持ったローク。依頼を受けることに。

長旅(何しろ、飛行機がボーイング707の時代)の後、厩舎に潜入したローク。
真相を暴くことができるのか。

***** ***** *****

競馬シリーズを読むのは、「混戦」「骨折」以来3冊目。
競馬に限らず、「どう生きるべきか」という人間ドラマとしても素晴らしい出来。

よく知られたことだが、作者のフランシスは障害レースの騎手だった。
この作品も、彼にしか描けない世界。菊池光の翻訳もファンが多い。

不正が犬笛と火で行われているというのは意外。
馬の聴力は犬と同等なわけか。

今まで経営者としての目出物を見てきた彼。
馬丁としての視線に慣れてない。

加えてオクトーバーの娘二人に翻弄されるローク。
調査と身の安全が脅かされる。

しかも、乗馬が巧いことで目をつけられてもいけない。
かなり難しい役回りを演じている。

結末については読めなかった。どこにでもスカウトの目はあるものだ。
私が作者なら、ロークを別のエピソードで使う。

複数の作品に出てくるのはシッド・ハレーとキット・フィールディングだけ。
このシリーズは魅力的な登場人物が多いだけに残念。

日本でフランシスに影響された作家といえば、真保裕一。
先日、再読して書評を書いた「連鎖」
「代償」や「震源」、「奪取」など、漢字二文字のタイトルなのは、競馬シリーズと同じ。
フランシスは2010年に亡くなっても、その魂は遠く極東に受け継がれている。

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初心者のためのディック・フランシス入門(執筆者・五代ゆう)

↑このシリーズに関する詳しい解説。とても参考になった。

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posted by りゅうちゃんミストラル at 16:43| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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