小川洋子が孤独を表現したらこうなる。
独自の世界を描かせる事に関して、小川は優れた作家だ。
小川の小説は「最果てアーケード」と「人質の朗読会」以来。
彼女の世界は無限だ。
「小鳥の小父さん」が亡くなった。
20年近く幼稚園で小鳥の世話をしていた彼。
彼には独自の言葉を話す7つ年上の兄がいた。
その言葉ポーポー語は、小父さんだけが理解できた。
逆に、兄は鳥の言葉を理解していた。
毎週水曜日には青空商店で棒付きのキャンディーを買っていた兄。
ポーポーというそのキャンディーの包装紙で鳥を作っていた。
大学で労働法を研究していた父は離れで過ごすことが多かった。
母は血液の病気で亡くなり、父も海で溺死した。
兄と二人の生活が始まる。やがて兄も亡くなった。
小父さんは企業のゲストハウスで管理人をしていた。
図書館で鳥関係の本を読むことで知り合った女性司書。
彼女も結婚のためか小父さんと離れる。
やがて小父さんは老いて引退。
虫箱を持っていた老人と仲良くなるが、虫の死とともに小父さんの前から姿を消す。
老いた小父さんは、翼を骨折していたメジロを保護する。
生きがいが見つかった小父さん。
メジロの鳴き声で競技するという男と出会う。
競技会で小父さんは鳥籠のメジロを放ってしまう。
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自分にとっての小鳥は何なのか。
私はそれを持っているのだろうか。
どうしてこの作品が本屋大賞に選ばれないのか。
まったく分からない。地味だから?静かな感動は認められにくい?
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2014年07月26日
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