2014年08月03日

「魔笛」野沢尚

渋谷のスクランブル交差点で爆弾テロが起きた。
昇進の道がない刑事、鳴尾がこの事件を追う。

   黄色いユリ

鳴尾は殺人で服役している妻がいる。
そのため巡査部長から上には上がれない。

渋谷での爆破事件は、新興宗教の教祖が死刑判決を受けた直後に起きた。
本書は、犯人の女から見た形式で書かれている。

C4というプラスチック爆弾が使われ、何故かビーズが混入されていた。
捜査でも中心から外れた鳴尾は、ある女について調べ始める。

沖縄出身の照屋礼子は優秀な公安の捜査員だった。
鳴尾は彼女を追い、その鳴尾を公安が追うという二重の構造。

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厚い本だが読むのは難しくない。
テロや公安、新興宗教などいろんな要素が盛りだくさん。
どうせなら、じっくりと大きなテーマを描くという姿勢があってもよかった。

この作品が精力的に書かれたことは、多くの読者が認めるだろう。
その割りに、リアルさに欠けたりする部分があるのは残念。

SBSS(爆発物特別処理隊)の真杉はいいキャラ。
爆弾とその解体についての解説役というだけでなく、好感を持った読者は多いはずだ。

この作品がオウム真理教モデルにしたことは、誰の目にも明らか。
後半、身代金として10億円を要求された警察。

金が乗った車を運転するよう求められたのは、教団を擁護していた元大学教授。
オウム事件でも批判された宗教学者で大学教授がいた。

駐在所が爆破された菅生事件についてはすっかり忘れていた。
本書でも触れられているように、共産党を罠にかけようとした公安のでっちあげだった。
再び忘れないよう記録しておく。

野沢作品で言うと「破線のマリス」が未読。
近いうち、読んでみる価値があるように感じた。

脚本家出身の野沢は04年に44歳で自殺した。
まだまだ作品を残せただろうに残念。

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■[Book]改めてこの作品の意味を考えた 『魔笛』 野沢尚

13.フィクションJ「魔笛」著.野沢尚

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タグ:魔笛 野沢尚
posted by りゅうちゃんミストラル at 16:15| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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