ワトソンとフランケンシュタイン。
その他いろんな人が登場する、よくわからん話。
舞台は19世紀末。始まりはロンドン。
この作品の世界では、「霊素」というものが存在している。
たった21グラムが生者と死者を分けるという設定。
早い話、この作品は過去におけるパラレルワールドを描いたSF。
屍者たちは、軍事用に広く使われていた。
ワトソンは軍医を志望。諜報員として世界を巡る冒険に出る。
話はアフガニスタンに飛ぶ。
書物は榎本が持っていたという話を耳にする。
カラマーゾフの兄弟が登場。レット・バトラーは「風と共に去りぬ」の人。
フランケン三原則とその次に出てきた三原則は「ロボット三原則」そのもの。
そして日本。ワトソンはコレラに倒れる。
大里化学で彼らを待っていたのは・・・
元大統領グラントの計らいで船に乗ることができたワトソンたち。
アメリカに到着する。
再びロンドン。
長い旅の終わりには何が待っていたのか。
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伊藤は09年、34歳で亡くなった。
円城は、伊藤の家族から承諾を得てこの本を出したという。
プロローグは伊藤が書き、ほとんどは円城の手によるもの。
読んでいて不満だったのが、痛みの不在。
日本などの場面で人が傷ついたら、それなりの表現が必要ではないのか。
多くの人を登場させた半面、話に深みが感じられないのも残念。
正直、私にとってこの作品は1800円(税別)の価値はない。
図書館で読んでよかったと心から思う。
私は「虐殺器官」「ハーモニー」を読んでいないので、評価割り引いて考える必要がある?
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2014年07月23日
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