引き込まれた。山本周五郎賞受賞、直木賞候補、本屋大賞第3位。
始まりは2000年の倉敷。
大原美術館で監視員をしていた43歳の早川織絵が主人公。
彼女はシングルマザーでもあった。
館長に呼ばれ、そこで新聞記者を紹介される。
展覧会開催にあたって、ニューヨークまで交渉役として向かってほしい。
かつてパリで博士号を取った織絵。
彼女の経歴が明らかになる。
そこから話は飛んで1983年。
ニューヨーク近代美術館でアシスタントをしていたティム・ブラウン。
スイスのバーゼルに招かれる。
そこで織絵と会い、彼女とルソーの作品について講評で勝負することに。
毎日「物語」を交互に読んで、1週間後に真贋を述べ勝ち負けを決める。
勝てば「夢を見た」を手に入れることがきる。
実はこの勝負、代理戦争だった。
ティム・ブラウンは、上司であるトム・ブラウンの代わり。
織絵はキースの代わりだった。
それぞれサザビーズとクリスティーズが背後にある。
決着はどのようになるのか。
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自分が知らない世界を小説で表現できるのは貴重。
ウロコが何枚も落ちた気がする。
ミステリーとしても興味深く読めた。
インターポールや絵の秘密など盛りだくさん。
終わり方も清清しくて好感が持てる。
ティムが青臭くていい奴。
こうした人が、美術を支えているものと信じたい。
裏側はドロドロなんだろうけど(汗)。
作者は原田宗典の妹。
関西学院大を出た後、早稲田で美術を学んだ。
絵画に対する愛情が文章に込められている。
粗いが注目に値する作家だ。
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