「ランナー」「スパイクス」に続くシリーズ第3弾。
加納碧李と三堂貢は互いを意識していた。
ふたりの対決は迫っている。
話の進行に大きな役割を持つのが清都高校新聞部の光喜。
「競技の外、トラックの外にいる者だから見える」ものを、彼は描けるのか。
たとえば将棋には「指さないファン」というのが存在している。
何事も、「興味はあるが自分でその世界に入らない」というのは「あり」だと私は考える。
だが本書の場合、光喜の存在はあまりにもご都合主義だ。
そして元マネージャーの杏子。
部を引退したものの、陸上が気になって仕方ない。
この本のクライマックスは10キロのコースをライバルの二人で往復するシーン。
誰にも邪魔されたくないという気持ちが現れている。
特訓や秘密兵器があるわけじゃない。
そこらへんにいる高校生が大きな夢を持っていると考えれば。
この作品に共感する人も多いのかもしれない。
「何故走るのか」。
この問いを多くのランナーは自問しているはず。
「ただ走る」というのは人間が持つ本能なのか。
第4弾はふたりの対決が描かれるのだろう。
どちらが勝つにしても、また読んじゃうんだろうなあ。
この本は本体1400円。自分で買うには高い。
図書館で待って読むのが正解だと私は考える。
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