競馬シリーズ第11弾。
主人公はニール・グリフォン。
ある夜、2人組の男たちに誘拐された。
誘拐した男たちは間違っていた。
本当は調教師であるニールの父親ネヴィルを誘拐するはずだった。
だが、父ネヴィルは交通事故で入院中だった。
誘拐犯の要求は、多くの優駿を管理していたロウリイ・ロッジに新たな騎手を雇うこと。
ロウリイ・ロッジのエース馬、アークエンジェルに乗せろという。
そしてダービーで勝たせろとも。
しかし、ロウリイ・ロッジにはエースジョッキーのトミイ・ホイレイクがすでにいる。
その男、誘拐犯首領の息子であるアレクサンドルは次の日にやって来た。
18歳と若い彼は、馬の世話をしないと言い放つ。
女性厩務長エティは、アレクサンドルに反感を持つ。
厩舎では、かつて障害レースで活躍したムーンロック。
そしてインディゴが相次いで骨折する。
父親がいない厩舎で不当な要求。
ニールはどのようにしてこの危機を乗り越えるのか。
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この作品で描かれているのは、骨折より親子関係。
競馬ばかりではないところが、作家フランシスの腕の見せ所。
ニールと父親、そして誘拐犯とアレクサンドル。
何でも言うことを聞いてくれるのがいい父親ではない。
後半になると、アレクサンドルは父親の要求に頭を悩ますことになる。
マーガレットからアレクサンドルが宿泊しているフォーリィ・インの情報を得るニール。
このあたりは辻褄合わせのご都合主義。
しかし、経営面でロウリイ・ロッジが抱えている問題をずばり指摘するニール。
このあたりは痛快だ。
専門家だからこそ、問題が見えないというのはどこの世界にもある。
もうひとつ、性的不能になる病気は他になかったか。
ありそうな気がするんだけど、どうなんだろう。
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