2014年05月28日

「誘拐」高木彬光

金融業を営む男の息子が誘拐された。行き詰まった捜査陣。
知能犯に対し敏腕弁護士が驚くべき罠を仕掛ける。

 黄色い花

まず最初に出てくるのが誘拐事件での裁判。
「彼」はこの裁判を傍聴していた。そして、自分でも誘拐事件を起こす。

金融業のひとり息子を誘拐し、3千万円の身代金を要求。
今のようにメールや携帯は無い時代。速達を使って指示を出す犯人。
電話を使えば録音され手がかりを残す。

犯罪者が裁判から「学習」すること。
そして「彼」の正体が誰なのかを読者が推理する。
この作品の大きなポイントはそこにある。

黒澤明監督の「天国と地獄」でもそうだったが、身代金の受け渡しが鍵になる。
犯人にとってはピンチ、捜査陣にとっては大きなチャンスだ。
本作品では、この点を逆利用しているところが作者の狙いでもある。

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誘拐事件といえば思い出すのがリンドバーグ事件。
「オリエント急行の殺人」(アガサ・クリスティー)がこの世に出るきっかけとなった。

ここで述べるまでもなく、身代金目的の営利誘拐は成功することがまずない。
どこかで犯人側が証拠を残してしまうからだ。

私は、「彼」の正体についてまったく分からなかった。
どれだけの読者が予想していたのだろう。
これが予想できたら推理小説を読む必要が無いかのようにも思える。

ふたつだけ苦言を。
「あれ、坊やの家だよ」(角川文庫P64)の部分。

自分の家を指すのに「坊や」と息子本人が言うだろうか。
細かいことだが気になった。

証拠品が入ったボストンバッグの存在も調べれば分かること。
読んでいていかにも不自然だった。

百谷弁護士については別の作品でも出ている。
今からでも高木作品を読むのは遅くはないかも。
図書館で借りるにも競争相手が少なそうだし。

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今日は今読んでいる小説、高木彬光さんの「誘拐」を書かせていただきたいと思います

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posted by りゅうちゃんミストラル at 17:45| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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