2014年04月27日

「旅猫リポート」有川浩

猫のナナと飼い主の旅。
泣くまいと思って読んでいたが、やっぱり泣いた。

   茶トラ

ワゴン車の上がお気に入りの野良猫。
事故で骨が見えるほどの大ケガをする。

サトルはこの猫を保護し、ナナと名付けて飼う。
かつて飼っていたハチを思い出すようなナナ。
5年間の幸せな時間が始まった。

Report-01 コースケ

小学校時代、サトルと仲のよかったコースケ。
結婚したが、父親の暴言がきっかけとなって嫁は出て行く。

Report-02 ヨシミネ

農家を継いだヨシミネ。
サトルとヨシミネには、家族からの距離という共通点があった。

ナナをヨシミネに引き取ってもらいたいサトル。
しかしチャトランとナナの仲が悪く、この計画は失敗に。

Report-03 スギとチカコ

高校時代の同級生、スギとチカコはペットも一緒にすごせるペンションを経営していた。
サトルはナナをこの家に引き取ってもらいたいと頼む。

先輩猫のモモはすべてを理解する賢さがあった。
しかし犬の虎丸は、ナナを敵視する。

Report-3.5 最後の旅

北海道に向かったサトルとナナ。
叔母のノリコを暮らすことに。

Report-04 ノリコ

サトルは両親と血が繋がっていなかった。
つまり、ノリコもそれは同じ。

ナナを他人に預けるよう動いたサトル。
彼は末期ガンで余命1年と言われていた。

Last-Report

サトルは死ぬ。友人が北海道にやって来きて思い出を語る。
ナナとノリコのその後が描かれる。

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正直、これは反則だ。猫が出てきて飼い主が死ぬ。
これでは泣かないわけがない。

「猫鳴り」(沼田まほかる)とは違う。
両作品を比較すると、作家の違いが出て興味深い。

前にも書いたが、虹の橋という伝説がある。
サトルはナナがやって来るのを虹の橋で待っている。
彼らが虹の橋を渡る姿が見えるようだ。

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『旅猫リポート』 有川浩  

『旅猫リポート』/有川浩 ◎

旅猫リポート(有川浩)

有川浩/「旅猫リポート」/文藝春秋刊

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