著者の経験が生かされた異色作。原題はRat Raceという。
マット・ショアはエアタクシーに勤務しているパイロット。
離婚して、いろいろと支払いに追われている不運の男。
エース騎手コリンなど競馬関係者を各地に運ぶ仕事をしている。
前任者がトルコへ行ったため、マットは重い責任があった。
ある日、機体に異常を感じたマットは緊急着陸。
その後、機体は爆発した。誰かが狙われているのか。
自分か、それともコリンか。
コリンの妹ナンシイ。
彼女はパイロットの資格を持っていた。
彼女がコリンを乗せて飛び立った際、二度目のトラブルが。
無線が壊されてしまう。少佐の仕業だった。
マットはナンシイの操縦する機体を探す。
そして機内ではF1で使うピットサインのような文字が作られていた。
並んで飛ぶ二機。
地上に誘導するため、細かい指示がピットサインを使って伝えられる。
この場面、なかなか緊迫感があってよかった。
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作者が騎手だったことは有名。
しかし、軍隊時代パイロットだったというのは知らなかった。
人間、どこで隠れた経歴が役に立つかわからないものだ。
ナンシイには双子の姉がいて、白血病でいつ死んでもおかしくない。
この設定は無くてもよかったのではないか。
マットは元BOACのパイロット。
この会社、ブリティッシュ・エアウェイズ(かつて英国航空と呼ばれていた)の前身。
「どうして辞めたのか?」と訊かれるのは当然だ。
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