21世紀だからこそ、こうした作品が必要なのかもしれない。
長距離列車の中で、夫婦関係について語りあっていた乗客たち。
貴族のポズドヌイシェフが自論を展開する。
何とこの男、自分の妻を嫉妬から殺してしまったのだ。
医者から出産を止められた妻。
美しくなった妻に、バイオリニストのトルハチェフスキーが接近する。
ポズドヌイシェフが会議のため地方に出かけている間。
夜中にトルハチェフスキーがやって来る。
急遽予定を変更し、家に戻ったポズドヌイシェフ。
かねてから妻に怒りを感じていたポズドヌイシェフは短剣で妻を殺してしまう。
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トルストイの作品は、「イワン・イリッチの死」以来。
よくぞここまで追い詰めた考えができるものだ。
作者の考えが反映されたこの作品。
極論ではあるけれど、彼ほど率直に性の問題を語った人はどれだけいるか。
直接作品には関係ないけれど、妻を殺した男が無罪になるというのは驚き。
貴族が自分の名誉を守るために行ったからなのだろうが、日本では無罪にならないだろう。
もし、今トルストイが生きていたとしたら。
HIVの流行や世界の人口が70億人という点について、どう語っただろうか。
「そんなストイックにならなくてもいいじゃないか」と私などは思う。
しかし、トルストイから見ればそんな考えこそが堕落なのだろう。
私が読んだのは原卓也翻訳の新潮文庫。
同時収録されている「悪魔」についてはこれから読むところ。
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