2014年03月19日

「天切り松 闇がたり 1 闇の花道」浅田次郎

講談を思い出す闇がたり。
しかも泣けた。

   つるし雛

留置場で老人は話し出した。
大正時代における盗人の仁義を。

「闇の花道」

松蔵は姉が女郎屋に売られた後、義賊「目細の安吉」に弟子入りした。
母親は医者にも診せられず亡くなった。すべては父親の博打が原因だった。

安吉は、松蔵が二度と父親に会えないよう求めた。
それが、松蔵にとっていい選択だからだ。

検事おしろいの提案を断った安吉。
上野駅に銀次を迎えに行くが、列車を降りたとたん再び逮捕されてしまう。

安吉は今後一切、警察との関わりを絶つと宣言。
邸にあった100万円(今の価値で言うなら億単位)を貧民街に投げ込む。
義賊として安吉の意地を見せた。

「槍の小輔」

紅一点のおこんがメインのエピソード。
前の「闇の花道」で、銀次が逮捕されるきっかけになった金時計。

山県有朋が明治天皇から拝領したものだ。
彼女もスリとしての意地があった。再び山県から盗もうと画策する。

花火の日、山県の胸から金時計を抜くおこん。
だが山県は犯行に気がついていた。
何を思ったか、山県はおこんを小田原の別邸に連れて行く。

「百万石の甍」

栄治がメインのエピソード。
花清に戻るよう前田家が仲介し、栄治はどうするのか。

国宝の香炉を盗み、花清と前田家に酒十斗、餅十斗を持ってくるよう年賀状を出す栄治。
花清の血より盗人としての自分を大切にする栄治。

「白縫花魁」

松と生き別れになった姉のおさよ。
彼女は1000円で女郎屋に売られた。

康太郎と仲良くなった松は、姉を探す。
おさよは白縫花魁となっていた。

「衣紋坂から」

おさよを取り戻すべく、兄貴たちに相談する松。
しかし、次々に難題が持ち上がる。

何とか金を用意し、おさよは開放される。
しかしスペイン風邪によって彼女の命は終わりを迎えていた。

このエピソードは泣けた。浅田はこうした人情話が上手い。
永井荷風が出てくるのはびっくり。

***** **** ***** ****

仁義とは何か。
盗みは悪いことなんだけど、この作品に出てくる義賊は許せてしまう。

解説は映画監督の降旗康男。
「鉄道員」でメガホンを取った彼の文章も読む価値がある。

この闇がたりはシリーズになっている。すでに5巻まで出ており、評価が高い。
検事のおしろいと対決する日がやってくるのだろう。
今後も読む価値ありと判断した。

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posted by りゅうちゃんミストラル at 06:27| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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