侍のどこまでも清冽な生き方を描いた直木賞受賞作。
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庄三郎は場内で刀を抜き、同僚の足を斬った。
本来なら切腹するところだが、同僚の家柄に助けられる。
隠居の上、向山村の戸田秋谷の家に行くことを命じられる。
表向きは家譜完成を手伝うということになっているが、実際は監視役。
実際、戸田秋谷に会ってみれば側室と間違いを犯す人物には見えない。
いったい秋谷に何があったのか。
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情けがあり凛とした秋谷。
「どうしてそこまでできる!」と思う場面が多かった。
もし、秋谷が違う時代違う状況に生まれていたら。
雪印の食中毒は、イジメや体罰での自殺はどうなっていたか。
福島原発事故は。「親切な人」から金を受け取った都知事は。
太平洋戦争はどうなっただろう。
逆に言えば、秋谷の生き方が美しく見えることは不幸でしかない。
秋谷が目立たず死ぬ世界こそ求められる。
そのことをどれだけの読者が知っているだろうか。
この作品は現代に通じる。決して昔の話ではない。
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私は時代小説が苦手。なるべく読まないようにしている。
しかしこの内容であれば、読んでよかったと素直に思う。
庄三郎のところに次々と事実が集まってくるのは出来すぎ。
これをご都合主義という。
しかしそれを差し引いたとしても、かなり読み応えがある作品だった。
この作家、初めて読んだがもっと読んでみたい。そう思わせる作品だった。
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