五木寛之が描く大人の恋愛小説。
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外車販売のサラリーマンからモータージャーナリストとなった山口。
先輩のゴルフコンペで佐伯伽耶という女性を紹介される。
その日、山口のゴルフは散々だった。
しかし伽耶には気に入られる。伽耶の「生徒」となった山口。
二人はイタリアに旅行する。
東京に戻ったらもう会わないという伽耶。
杏子と結婚することを決めた山口。
その後、伽耶が事故死したとの知らせを聞く。
ホロコーストについては「夜と霧」(フランクル)を思い出した。
有名な本なので、もちろん五木も読んだのだろう。
仏像は五木が興味ある分野。
そして車にもこだわりが。
Oh What a Beautiful Cityはこんな曲。
私も初めて聴いた。
伽耶は何故死んだのか。以下の記述が興味深い。
「もし人間の誕生が、自己の選択の及ばぬところにあるのなら、その人生を終える瞬間くらいは本人が選ぶ権利がある、と彼女は考えているのだろう」
(赤字部分、新潮文庫P269より引用)
以前、これと全く同じを大学教授の刑法学者から聞いたことがある。
自殺は犯罪なのか。少なくとも今の日本では犯罪ではない。
では、どうして犯罪ではないのか。
上記の教授によれば「自殺者無能力説」と「自殺権説」があるという。
以前にもブログでこの話を書いたが、再度書く。
「自殺者無能力説」というのは自殺を試みる人が心神喪失または耗弱状態にあるという説。
そしてもう一つの「自殺権説」こそ、上記赤字部分での主張となる。
恋愛小説で、刑法学者の話を思い出す場面が出てくるとは意外。
はっきりとは書かれていないが、伽耶の死が自殺だった可能性は大いにある。
読んでいて思い出したのは、「眠れぬ真珠」(石田衣良)。
石田に限らず、何人かの作家は似たような作品を書きたがるらしい。
この作品、残念なことに人物が描けていない。
ストーリーもご都合主義。
何度も書いているが、イチローでも半分以上は凡退している。
五木ほどの作家でも、傑作ばかりではない。
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