2014年02月02日

「アルケミスト 夢を旅した少年」パウロ・コエーリョ

完成度の高い、教訓に満ちた冒険ファンタジー。
この内容なら読んで損はないだけじゃない。自信を持って人に推薦できる。
   

ブラジルの作家による作品は記憶にない。
ポルトガル語で書かれた小説は、「白の闇」ジョゼ・サラマーゴ以来。

主人公はスペインで羊飼いをしている少年サンチャゴ。
彼は神学校で学んだが、いろんな世界を知りたいと羊飼いになることを志願した。

ある日、少年は「自称王様」の老人と出会う。
そして持っていた羊をすべて売り、宝物を探しにエジプトのピラミッドを目指す。

船でアフリカ渡った少年。
しかし羊を売って得た金を持ち逃げされてしまう。

それでも少年はあきらめない。
クリスタルの店で働き、エジプトへ行くための金を貯める。

「大いなる魂」「アメラルドタブレット」「賢者の石」。
そして「ウリムとトムミム」などファンタジーの魅力が満載。
少年は宝を手にすることができるのか?

***** **** ***** ****

イスラム世界で「マクトゥーブ(Maktub)」と呼ばれる言葉。
「それは書かれている」という意味。

この言葉を見て、私は映画「アラビアのロレンス」を思い出した。
砂漠をラクダで越えて、要塞攻撃を計画するロレンスたち。
   

だが、暑い日中に移動するうちひとりがラクダから落ちた。
引き返して助けようとするロレンスを、仲間は「運命だ」と止める。
砂漠の民にとって、運命は「書かれたもの」。

しかしロレンスは引き返して男を救う。
「Nothing is Written」(運命などない)と言い放ったロレンス。
映画と小説の2回でこの言葉の真の意味を理解できた気がする。

***** **** ***** ****

結末については、まったく読めなかった。
この作品の大事な部分なので、この記事では触れない。

もしこの作品の結末を読めた読者が存在するのなら。
その読者はどんなミステリーでもつまらなく感じるはずだ。

ファンタジーが苦手な私でも、この作品の価値は理解できる。
多くの国で賞賛されるだけのことはある。

約200ページと短いが、多くのメッセージが隠されている。
私はどのくらい理解できたのか、自信はない。

人は人生の中でどれだけの前兆を見つけることができているのか。
逆に、どれだけのチャンスを逃しているのか。

忘れたくない文章を記録として残す。

「人は自分の必要と希望を満たす能力さえあれば、未知を恐れることはない」
(P90より引用)

「人は愛されるから愛されるのです。愛に理由は必要ありません」
(P144より引用)

「何をしていようとも、この地上すべての人は、世界の歴史の中で中心的な役割を演じている。そして、普通はそれを知らないのだ」
(P188より引用)

私がこの作品を読もうとしたのは何故か。
それは先日見たAmazonオールタイムベスト小説100に入っていたから。

Amazonの書評は時々信じられなくなる。
けれど、少なくともこの作品に限っては大当たり。
今後も次に読む作品の参考にしたい。

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書評:パウロ・コエーリョ『アルケミスト』  

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探し求める事はムダか? 『アルケミスト 夢を旅した少年』

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posted by りゅうちゃんミストラル at 02:07| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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