2014年02月07日

「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」村上春樹

春樹の最新刊を今になって読んだ。
爆発的に売れたことが話題になった本だが、春樹の作品としては物足りない。
ネタばれあり。
   

多崎作は、名古屋出身の36歳。鉄道会社で駅の設計をしている。
高校時代仲のよかった5人組。
しかし大学2年の時、絶交を言い渡されたことがトラウマだった。

その彼は以前、大学の後輩灰田から奇妙な話を聞いた。
灰田の父と自称ピアニストの緑川のことについて。

2つ年上の彼女に言われ、トラウマの源となった件について話を聞きに行く。
行き先は名古屋とフィンランドだった。

そして仲間のひとりシロは亡くなっていた。
自宅で絞め殺されていたのが見つかり、容疑者も見つかっていない。

性夢については「海辺のカフカ」にも出てきた。
女性読者は、こうした表現をどう解釈しているのだろうか。
少なくとも男性読者とは違うはずだ。

6本指については、「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」を思い出した。
一角獣について調べたことととても似ている。

河合隼雄との対談、そしてインタビュー集「夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです」で春樹は語っている。
春樹は嫉妬したことがない。そして夢を見ることがない。

結局、誰がシロに対して性的暴行をしたのかは不明のまま。
灰田のその後についても何もわかっていない。

だが、この作品はミステリーではない。
(ミステリーでも疑問が解決されないままになっている作品はある)
解決されないままでも何ら問題はない。

***** **** ***** ****

作品で紹介されているリストの「Le mal du pays」はこれ。

 

最初にも書いたが、春樹の作品としては物足りない。
だが、絶好調のイチローでも打率10割ではない。

読者は一度印象に残る作品を読むと、その作家を追うようになる。
私もその中のひとり。
今後も春樹の最新刊が出れば、いつ読もうか考えるはずだ。

大きな疑問は、主人公のつくるが性的暴行をしたという欠席裁判。
つくる以外の4人、そのうちシロを除く3人はつくるの排除に反対しなかったのか。

そのためにつくるは自殺をずっと考えるようになった。
自殺しなかったのは単なる結果でしかない。

この点、私にはとても気に入らない。
それ以上に、話が散漫で面白さに欠けた。

図書館での予約待ちがまだ200人近い状況が続いている。
待ちきれなかった私は、ブックオフで購入した。

読み終わった本は図書館に寄贈しよう。より多くの人がこの作品を読めるように。
そして、私自身も時間を置いて再読したい。

書評(作家別一覧)

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posted by りゅうちゃんミストラル at 03:05| 東京 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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