2012年本屋大賞8位。
【送料無料】《本屋大賞2012 ノミネート作品》ビブリア古書堂の事件手帖 [ 三上延 ] |
『漱石全集・新書版』夏目漱石(岩波書店)
北鎌倉駅すぐの場所にあるビブリア古書堂。
店主が亡くなった後、娘の栞子が後を継いだが骨折して入院。
無職の五浦大輔(活字恐怖症)は、本の鑑定を依頼したこの店で働くことに。
大輔が依頼したのは漱石全集。祖母に関する謎を栞子が解く。
まさに「人に歴史あり」のエピソード。
何気なく手にした本にも、何か物語があるものだ。
『落穂拾ひ・聖アンデルセン』小山清(新潮文庫)
ビブリア古書堂の常連、志田。彼は橋の下に住んでいた。
生計を「せどり」で立てる彼は「落穂拾ひ」に関する依頼をする。
女子高校生は何故、本が必要だったのか。何故、鋏を借りたのか。
車椅子探偵ならぬ、「入院患者探偵」栞子の推理が冴える。
新潮文庫の栞紐のことをスピンというのは知らなかった。
今回の事件は、このスピンが鍵を握る。
せどりは古物商の許可が必要。
最近は多くの人が高く売れる本を探しているので、結構難しいかもしれない。
『論理学入門』ヴィノグラードフ・クジミン(青木文庫)
来店して「論理学入門」を売ろうとした中年男性。
ところがその後、奥さんが栞子の入院する病院までやって来る。
男性は、かつて銀行強盗事件を起こし服役していた。
何故、本を売ろうとしたのか。奥さんとの関係が味わい深い。
『晩年』太宰治(砂子屋書房)
栞子が入院するきっかけ、それは誰かに突き飛ばされたからだった。
最後の事件は栞子本人が被害者。
300万円以上という太宰のメッセージ入り「晩年」。
どうしてもこの本を手に入れたい男が栞子を狙っていた。
今までのエピソードで登場した人物たちが再び姿を見せる。
栞子は犯人が諦める手段を選択した・・・
太宰の作品でも、「斜陽」や「人間失格」ではなく「晩年」を取り上げる。
私も「晩年」は未読。
本にこだわる人というのはどこかにいるもの。
アンカットの本というのも今ではまず見られない。神田に行けば見られるのだろうか。
[完成品フィギュア] 1/8 ビブリア古書堂の事件手帖 篠川栞子 キャラアニ |
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読んでいて思い出したのは、「空飛ぶ馬」(北村薫)。
日常ミステリーという点においては似ている。
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しかし本書が優れているのは、「本そのものの物語」を加えたところ。
単に本の解説であれば、「草子ブックガイド」(玉川重機)がある。これはこれで面白い。
ミステリーとしての構成や文章は稚拙な部分が見られるが、話に深みがあった。
軽く読めるので、人気があるのは納得。
このシリーズ、今後も読んでみる価値はある。
買うのではなく図書館で借りるのであれば。
この作品、テレビドラマ化された。
主演は剛力彩芽。イメージがまったく違う。今のところ見る予定はない。
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ビブリア古書堂の事件手帖〜栞子さんと奇妙な客人たち〜 三上延著 メディアワークス文庫 2011年
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