2014年01月16日

「ビブリア古書堂の事件手帖」三上延

北鎌倉にある古本屋を舞台にした本と謎解き。
2012年本屋大賞8位。
 

『漱石全集・新書版』夏目漱石(岩波書店)

北鎌倉駅すぐの場所にあるビブリア古書堂。
店主が亡くなった後、娘の栞子が後を継いだが骨折して入院。

無職の五浦大輔(活字恐怖症)は、本の鑑定を依頼したこの店で働くことに。
大輔が依頼したのは漱石全集。祖母に関する謎を栞子が解く。

まさに「人に歴史あり」のエピソード。
何気なく手にした本にも、何か物語があるものだ。

『落穂拾ひ・聖アンデルセン』小山清(新潮文庫)

ビブリア古書堂の常連、志田。彼は橋の下に住んでいた。
生計を「せどり」で立てる彼は「落穂拾ひ」に関する依頼をする。

女子高校生は何故、本が必要だったのか。何故、鋏を借りたのか。
車椅子探偵ならぬ、「入院患者探偵」栞子の推理が冴える。

新潮文庫の栞紐のことをスピンというのは知らなかった。
今回の事件は、このスピンが鍵を握る。

せどりは古物商の許可が必要。
最近は多くの人が高く売れる本を探しているので、結構難しいかもしれない。

『論理学入門』ヴィノグラードフ・クジミン(青木文庫)

来店して「論理学入門」を売ろうとした中年男性。
ところがその後、奥さんが栞子の入院する病院までやって来る。

男性は、かつて銀行強盗事件を起こし服役していた。
何故、本を売ろうとしたのか。奥さんとの関係が味わい深い。

『晩年』太宰治(砂子屋書房)

栞子が入院するきっかけ、それは誰かに突き飛ばされたからだった。
最後の事件は栞子本人が被害者。

300万円以上という太宰のメッセージ入り「晩年」。
どうしてもこの本を手に入れたい男が栞子を狙っていた。

今までのエピソードで登場した人物たちが再び姿を見せる。
栞子は犯人が諦める手段を選択した・・・

太宰の作品でも、「斜陽」や「人間失格」ではなく「晩年」を取り上げる。
私も「晩年」は未読。

本にこだわる人というのはどこかにいるもの。
アンカットの本というのも今ではまず見られない。神田に行けば見られるのだろうか。
   

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読んでいて思い出したのは、「空飛ぶ馬」(北村薫)。
日常ミステリーという点においては似ている。
   
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しかし本書が優れているのは、「本そのものの物語」を加えたところ。
単に本の解説であれば、「草子ブックガイド」(玉川重機)がある。これはこれで面白い。

ミステリーとしての構成や文章は稚拙な部分が見られるが、話に深みがあった。
軽く読めるので、人気があるのは納得。

このシリーズ、今後も読んでみる価値はある。
買うのではなく図書館で借りるのであれば。

この作品、テレビドラマ化された。
主演は剛力彩芽。イメージがまったく違う。今のところ見る予定はない。

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