哲学をわかりやすく説明した、世界的に評価された本。
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哲学の解説とともに、ミステリーにもなっている。
ファンタジーでもある。
「神は誰が作った?」という疑問は新鮮。
今までそんなこと考えたこともなかった。
ソクラテス以前から、弟子のプラトン。
そしてサルトルまで。広い分野を駆け足で紹介している。
哲学に必要な「驚くという才能」。
「沈黙の春」で有名なレイチェル・カーソンが残した「センス・オブ・ワンダー」と似ている。
火炙りになったブルーノについては、以下の記事で書いた。
「星を継ぐもの」J・P・ホーガン
キリスト教、特にカトリックの罪深さについては信者自身が認識してほしい。
今、カトリック信者にブルーノの名前を訊いたところで何人が知っているだろうか。
哲学は、断片的な知識だけ持っている人が多い。私もその中の一人。
こうした本は、その断片をつなぎ合わせるのに役立つ。
そして後半に続く。
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ソフィーに哲学を教えるアルベルト。
この二人からヒルデと少佐が多く登場し、二重構造となる。
後半、興味があったのはダーウィンの進化論と生命起源論。
哲学から生物科学に飛躍する部分。
「キリンの首はなぜ長いのか」という疑問。
今でも勘違いしている人は多い。
以前、カトリックの神父にこの質問をしてみたところ、ラマルクの用不用説を今も信じていた。
詳しくは以下のページに書いてある。
キリンの首はなぜ長い?
地球の水たまりから生命が誕生したという説。
これはソ連科学アカデミーのオパーリン説。
ところが現在は、生命が隕石に乗ってやって来たのではないか。
俗に言うパンスペルミア説も復活してきている。
面白いのは、古い学説が必ずしも間違っているわけではないという点。
オパーリン説が「新自然発生説」(自然発生説はパスツールによって否定)になっている。
学者が意図しないでいても、学説が環を描いている。
人が似非(エセ)科学を信じることについても触れている。
このあたりは、カールセーガン博士(故人)も生前本に書いていた。
あまりに情報量が多くて、読むスピードが落ちる。
急に200ページ以上読むと、知恵熱が出そうだ(汗)。
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作者のゴルデルは、ノルウェーのオスロ生まれ。
高校で哲学を教えていたという。
翻訳は池田香代子。「夜と霧」(ヴィクトル・エミール・フランクル)新版も彼女の翻訳。
つまり、ノルウェー語で書かれたこの本だがドイツ語訳がメインとなっている。
この本は世界的に何千万部も売れた。
哲学は何も一部の学者だけが独占できるものではない。
10代を含む一般人でも理解できる哲学の本。それが評価された。
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#031 ソフィーの世界〜哲学者からの不思議な手紙/上
ヨースタイン・ゴルデル『ソフィーの世界』
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