野島の友人、作家の大宮は二人を結び付けようと協力するのだが・・・
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私は、読んでいない古典が多い。
「伊豆の踊り子」(康成)、「坊っちゃん」(漱石)と並んで親しまれているこの作品。
今になってやっと読んだ。
まず感じたのは、時代に流されない作品というものの重さ。
この作品であれば、今後も読み継がれるのは間違いない。
薄い本だが、野島のウダウダぶりが多くを占めている。
早い話がこうだ。
恋愛とはウダウダである
青春も同じくウダウダだ!
野島が好きな杉子は、実は大宮が好き。
大宮はその気持ちに気がついて欧州へ渡る。
そこに杉子からの手紙が届き、大宮は杉子の想いを受け止める決心をする。
今でも似たような話はあるのだろう。
手紙がメールになったとしても、友情が絶滅したとは思いたくない。
もし、私が大宮だったらどうしたか。
杉子の想いを拒絶し続けた?悩んで自殺した?
多くの読者が「もし自分なら」という問いを思い浮かべたに違いない。
100を超える重版のこの作品。天文学的な数の読者が問いを重ねた。
後半の書簡体は「錦繍」(宮本輝)を思い出した。
だいぶ状況は違っているけれど、「錦繍」もそうだが覚悟を決めた女は強い。
実篤は、「それから」(夏目漱石)を読んで、刺激を受けたという。
残念なことに、私は未読。そのうち読んでみよう。
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漱石で思い出すのは「こころ」。
もし、野島が失恋のショックで自殺したら、「こころ」そのものじゃないか。
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