新宿にある翡翠飯店の年代記。第22回伊藤整文学賞。
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祖父泰造の死後、孫の良嗣は祖母と旧満州を旅することになった。
そこは祖母のヤエを連れて祖父母が出会った場所。
頭はいいが、役に立たないおじの大二郎も何故か一緒。
耳が痛いと言っていたヤエだったが、延泊しようと言い出す。
歩き回り、昔の満州を探す彼女。
二人が物語の中心になるが、第六章で第二世代の慎之輔(良嗣の父)にバトンタッチ。
ビートルズや学生運動など、現代史がそのまま作品に投影されている。
満州での怪しげな占いを忘れることのできないヤエ。
占いは基三郎の自殺となって家族に襲いかかる。
泰造は女装してまで戦争から逃げた男だった。
映画脚本家の保田をきっかけにヤエと引き合わせる。
この「逃げ」は、その後の世代にも継承される。
繁子から逃げた慎之輔も学生運動で知り合った文江と結婚する。
頭の出来が良い大二郎は大学を出て高校教師に。
しかし教え子との恋愛に陥ってしまう。
そして熱海での心中未遂事件が起きる。
実際どんなことがあったのか、分からないまま大二郎のクビで終わり。
この部分は興味深く読んだ。トルコ風呂に連れてってと慎之輔に頼む大二郎は笑えた。
前半は「大地の子」(山崎豊子)を思い出させる。
人の運命はどこで変わるかわからないものだ。
今までにない角田作品。
家族を描くことは変わりないが、三世代の奥行きがとても深い。
広島、長崎への原爆投下。ソ連の参戦。
ベトナム戦争、よど号、あさま山荘にパンダ。昭和史がここにある。
紅茶きのことスタイリーは懐かしい。知らない世代の人は検索してみて。
昭和天皇の死やオウム、阪神淡路大震災、バス放火事件も出てくる。
まるで映画「フォレスト・ガンプ/一期一会」の日本版と言えるような内容。
テレビドラマとして一世を風靡した「ルーツ」(アレックス・ヘイリー)も思い出す。
まさに「人に歴史あり」だ。
知らないだけで、実は自分のすぐ近くに壮大なドラマがあるのかもしれない。
アマゾンでの高評価に半信半疑だったが、この内容は星5つも納得。
「史上最高の角田作品」候補として忘れることはないだろう。
厚いが、読んで納得!
ベストオブ角田になるか?
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