恥ずかしながら、今になったやっと読んだ。ネタばれあり。
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博多近く、香椎の海岸で男女の遺体が見つかった。
男は某省の課長補佐、女は料亭の女中だった。
二人は青酸カリを飲んで死んだ。
一見、心中と判断しそうなこの件を、地元の刑事と警視庁の警部補が追いかける。
何故、「あせかぜ」に乗っていた課長補佐はひとりで食堂車を利用したのか。
容疑者である機械商の男が北海道にいたというアリバイは崩せるのか?
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あまりにも有名なので、ネタを含めた話は知っている。
すると、残る興味は「どうやって真相を解明するか」という点に絞られる。
西村京太郎の作品のように、読むのは容易だ。
時刻表を使ったミステリーも今更ながら斬新。
日本におけるミステリー小説のプロトタイプとして今後も読み継がれることだろう。
事件の核心について警部補が九州の老刑事に手紙で語っているところ。
これは、描写でなく「説明」になってしまっているが手紙であることで説明はつく。
まだ国鉄があり、ブルートレインが主力として走っている昭和32年という時代が舞台。
今読んでもこの作品は面白い。
今、東京駅は当時と大きく違っている。横須賀線のホームは地下に変更となった。
京葉線ホームなどは地下深くで迷路みたいだ。
松本清張の「点と線」を歩く 東京編
遺体発見現場となった香椎はこんな様子。
松本清張『点と線』香椎
ミステリー小説の怖いところは、一度入り込むと抜け出すのが大変なところ。
しかしこの際、清張の作品をもっと読んでもいいのかもしれない。
新潮文庫の解説は、平野謙。
東京駅で以下に二人を並んで歩かせるかという点を指摘している。
確かにこの点は作品を読むだけでは説明がつかない。
それ以外にも、関係者に近い人物が時刻表に関心あると警察に知られたらマズかろう。
出張に飛行機でなく鉄道を使ったのか不思議に思わない刑事も鈍い。
だが、いろんな点を差し引いたとしても、この作品の価値は高い。
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