途中から、先を読むのが辛くなった。太宰の作品は「人間失格」以来2冊目。
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貴族の家に住む出戻りのかず子が主人公。
優雅な母、戦地から戻らない弟の直治が家族。
父親が亡くなった所から、この家の崩壊が始まる。
叔父の勧めで東京の屋敷を売り、伊豆の別荘に移り住む。
そこへ、直治が戻ってくる。
母は結核で衰弱し亡くなる。弟も自殺する。
かず子自身も想いを寄せる上原の子を妊娠。
この作品、角川文庫で読んだが初版は昭和25年。
すでに100刷以上されている。
今読んでも古臭さを感じない。
まずそこが驚き。今後も多くの読者がこの本を手にするだろう。
弟の直治は太宰の投影。彼がこの作品を出した次の年に自殺した。
直治の「夕顔日誌」と遺書は太宰の考えと受け取ることもできる。
では、どうして直治のモノローグでこの作品を描かなかったのか。
太宰は女性の主人公を描くのに自信があったのか。
角川文庫の解説は石川淳。
母親が庭でおしっこする場面を否定したがる読者について書いている。
今でも(ネットで検索しても)この場面を嫌う読者がいる。
私は何とも思わなかったんだが。
同時に石川は、太宰の訃報(実際はまだ行方不明)を酒場で耳にした。
その場にいた客に大声を出したことを書いている。
太宰の死が作家としてのパフォーマンスであるとの噂に我慢ならなかったという。
太宰の死について
彼はなぜ自殺(1948年(昭和23年))したのか。
「小説を書くのがいやになったから死ぬ」というのは、我々凡人には理解しにくい。
大学時代、作家としても活躍していた語学の教授は太宰の自殺を批判していた。
作品を書く以外にも楽しいことがたくさんあるのに、自殺することはないと述べた。
こうした意見は結構多いはず。
私は決して太宰のファンではない。
が、かなり前に自殺した玉川上水は歩いたし、禅林寺にも行った。
詳しくは以下のページで紹介されている。
太宰治と三鷹
なお、この作品は青空文庫で公開されている。
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次に太宰の作品を読むとしたら、「桜桃」だろうか。
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