2013年10月22日

「楽園」鈴木光司

先史から現在まで続く、壮大な物語。「リング」「らせん」の鈴木光司が挑む大作。
デビュー作にして第二回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞作。
   
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話は3つの部分に分かれる。

「神話」

はるか昔。
中央アジア、モンゴルのあたりが舞台。

主人公のボグドはタンガータという部族に属する絵の上手い若者。
妻にしたいと思っているファヤウを描く。

精霊を得るため、試練の旅に出るボグド。
苦労の末、伝説の赤い鹿を仕留める。この功績により、ファヤウを妻にできた。

しかし、部族の掟で人物を描いてはいけなかった。
その絵を見た北の部族の長、シャラブがボグドの集団を襲う。

ボグドは生き残ったものの、息子を殺され妻を奪われる。
ひとりで妻を奪還するために出発するボグド。

「楽園」

18世紀の南太平洋に浮かぶタロファ島が舞台。
3人の白人、タイラー、ジョーンズ、チャニングがたどり着いた。
彼らは捕鯨船が座礁し、ボートで避難した。

その島に、西洋人が攻撃してきた。捕鯨船の元船長たちだ。
女性たちを奴隷にして売り飛ばそうという狙い。

銃を手にした男たちに、タイラーはひとり立ち向かう。
島の住人たちは、筏で長い航海に出かける。

島には岩に赤い鹿が描かれていた。
ボグドはここまでたどり着いたのだった。その島を、津波が襲う。

「砂漠」

現代のアメリカが舞台。
主人公はネイティブアメリカンの血を受け継いだ作曲家のレスリー。
優れた感性を持ちながら、難しい性格から誤解されやすい。

ある日、彼の才能を認めた新興宗教を引き継いだギルバートに依頼された。
内容はアリゾナとニューメキシコの境にある地底湖での作曲。

神秘的な地底湖を見て、すぐに曲を書くレスリー。
しかし、地震によりギルは転落し重傷を負う。

この変わった依頼を取材すべく、女性編集者のフローラも現地に向かう。
レスリーのファンでもある彼女は二人を救い出せるのか。

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私が読んだ新潮文庫の解説は、松本侑子。
「ニュースステーション」で天気キャスターだった彼女。
作家となり、「赤毛のアン」(モンゴメリー)シリーズの翻訳でも知られる。

私は読んでいてアレックス・ヘイリーの「ルーツ」やグレートジャーニーを連想した。
人はどこから来て、どこへ向かおうとしているのか。

我々現代人が怒り、悲しみ、どこかへ移動しようとするのは何故か。
歴史や血がそうさせるのかもしれない。

夢を壊すようで申し訳ないが、神話は歴史なのだろうか。
「かのように」(森鴎外)を思い出した。

多くの神話はフィクションのはず。
だが、モデルになった話というものも、かなり存在している。
つまり、歴史と神話は突き詰めれば分離ができない部分もあるということ。

スケールは大きいが、言葉の選び方がやや稚拙。
デビュー作なので仕方ないが、新鮮な反面残念でもある。

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『楽園』/鈴木光司

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ラベル:楽園 鈴木光司
posted by りゅうちゃんミストラル at 08:39| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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