2013年10月21日

「幽霊人命救助隊」高野和明

自殺した浪人生が、3人の仲間とともに人命救助にあたる。
100人を救うことはできるのか。
   
【送料無料】幽霊人命救助隊 [ 高野和明 ]

【送料無料】幽霊人命救助隊 [ 高野和明 ]
価格:780円(税込、送料込)


高野和明といえば、「グレイヴディッガー」「ジェノサイド」
もちろん、「13階段」も有名だ。その高野が自殺を描く。

自殺したはずの主人公裕一は、何故か山に登っていた。
頂上には3人がいた。老いたヤクザの八木。冷静な市川。唯一の女性、美晴。

そこに現れたのが神様。
49日間(7週間)に100人を救うことで天国へ行けると言う。
彼らは無事、100人を助けることができるのか。

4人のジェネレーションギャップが会話に出てくる。
それは多くの場合つまらないが、例外もある。それは後で述べる。

この本の存在する意味は何か。
自殺予備軍が、この本を読む余裕はないかもしれない。
しかし、どこかで「こんな本がある」ということを耳にするかもしれない。

樹海での死は孤独で損ばかり。うつ病は薬で治る病気だ。
借金で死ぬことはない。

日本社会の不平等を描くという点でも意味がある。
人は、生きているだけで意味があるものだ。

では、この本を読者は単に「娯楽」として消費してしまっていいのか。
この点を、忘れるべきではないと私は考える。

読んでいて思い出したのが「カラフル」(森絵都)。
この手の話はたくさんあるはず。

誰かを助けるために死ぬということが議論になる。
これで思い出したのが、先日起きた横浜線の踏切事故
サンデル教授(ハーバード大)が講義で使いそうな事故だった。

以下のセリフが記憶に残る。

「未来が定まっていない以上、すべての絶望は勘違いである」
(文庫P568)

厚いが、読んでよかったと思える本。
誰かに勧めたい。

***** **** ***** ****

文庫の解説は養老孟司。
つまらない文章だが、一部納得できる部分がある。

それは、人の死を冗談で語るという点について。
養老は落語を用いてこの作品と比較している。

立てこもり事件の犯人を狙撃すべく配置された警察のスナイパー。
頭に思い浮かぶ「アジャパー」とか、「ゲバゲバ・ピー」には不謹慎ながら笑った。

他の冗談は滑っているばかりで面白くなかったが、この部分だけは別。
石油が人を怠けさせるという養老の説はともかく。

何故作家がフィクションを書くのか。その証明にもなっている。
村上春樹がエルサレム賞授賞式のスピーチで語ったことは本当だった。
(詳しくは書かないが、気になる人は検索してみて)

***********************
関連記事

高野和明:「幽霊人命救助隊」  

【幽霊人命救助隊】題名ダサいが内容は良い

幽霊人命救助隊/高野 和明

幽霊人命救助隊

***********************

*****トラックバックはテーマに関係するもののみどうぞ。
スパム防止のため承認制です。その場合リンクは必要とはしません。
一部、こちらからはトラックバックを送れないブログがあります。 
コメントについても承認制です。コメントする人は、まず挨拶しましょう。


posted by りゅうちゃんミストラル at 08:27| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/377787623
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック

幽霊人命救助隊
Excerpt: 幽霊人命救助隊 (文春文庫)作者: 高野 和明出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2007/04メディア: 文庫 何ともアレなタイトルだ。 自殺した老ヤクザ、中小企業経営者、若い女、浪人の4..
Weblog: ダイターンクラッシュ!!
Tracked: 2013-10-20 22:56