『この ミステリーがすごい!』の2012年版1位。本屋大賞2位。
【送料無料】《本屋大賞2012 ノミネート作品》ジェノサイド [ 高野和明 ] |
主人公は大学院生2年の研人。
大学教授の父親が急死し、奇妙なメッセージを残していた。
父親が残した500万円という金。町田にあるアパート内の研究施設。
そして研人は警察に追われる。
もう一方の主要登場人物は軍人のイエーガー。
肺胞上皮細胞硬化症という難病で息子はこのままなら死が確実な状況。
軍を抜け、民間の会社で軍事行動をすることで高額の収入を得ていた。
すべては息子の治療費のため。
イラクにいたイエーガーは、アフリカでのオペレーションを依頼される。
危険なウィルスを持った住民を殺すことにより、病気のリスクを消すこと。
イエーガーを含めた4人は、コンゴへ向かう。
ところが現地で住民と共にいた白人のピアースという生物学者に会う。
ウィルスという話は嘘で、4人は殺される運命にあると彼は言う。
ピアースと共にいた子どもは、進化した人類だという。
3歳にして暗号を解くことができ、人智を超えたプログラムを組める。
4人に渡された薬は劇薬の青酸化合物だった。
ピアースに説得された4人は、アフリカを出ることに。
混迷の続くコンゴでは、武装勢力が6人に対し賞金を賭けていた。
果たして日本へたどり着くことができるのだろうか。
以下の部分が印象に残る。
「人間は、人間になる前から殺し合いを続けてきたのだろうか?」(P175)
「無理だ、とは言わない人たちが、科学の歴史を作ってきたんだよ」(P343)
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この作品を読んでいて思い出したのが、「幼年期の終わり」(アーサー・C・クラーク)。
読んだ人なら、私が言いたいことを理解できるはず。
また、医療ドラマ「ER」第10シリーズも思い出した。
どちらもコンゴが舞台だし。
ドラマ「ER10」の第二話は最高の出来だった!感動した!
580ページと分厚いが、読ませることにおいて高野は優れた作家だ。
何しろ先を読ませない。しかし先を読みたくなる内容。
作者の意見が作品に色濃く出ているのはまったく問題なし。
それは、フィクションで当たり前のこと。嫌なら読まなければいい。
韓国人が活躍する点においても、嫌がる人がいるに違いない。
こうした心が狭い人たちは、「旧人類」として分類されるにふさわしい。
薬学、医学と軍事。人類の存在証明と進化を描く。
異なった分野を結びつけるスケールの大きさはさすが。
こうした作品があると、作家は飽きられることがない。
読者はいつまでもこの作家を追い続ける。
「読んでよかった!」と素直に思える一冊
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