2013年09月23日

「日傘のお兄さん」豊島ミホ

ある日、保育園に通っていた頃遊んだお兄さんが現れた。
豊島が贈る青い短編4つ。
   
【送料無料】日傘のお兄さん [ 豊島ミホ ]

【送料無料】日傘のお兄さん [ 豊島ミホ ]
価格:460円(税込、送料込)


豊島の作品は、「リリイの籠」「ぽろぽろドール」以来。
アンソロジー「Re-born はじまりの一歩」もあった。

「あわになる」

主人公は若くして事故死した嶋野みずえ。
以前好きだったタマオくんのことが気になり、霊になって彼の所へ。

彼は結婚していた。しかも、奥さんは妊娠。
奥さんには、みずえのことが見える。そしてある提案を持ちかけられる。

輪廻というものはあるのだろうか。
私はあると考える。それを信じた者だけのために存在している。

「日傘のお兄さん」

これが一番長い作品。
主人公の夏実は島根に住んでいた保育園の頃、お兄さんに遊んでもらっていた。

そのお兄さんが中学生となった夏実の前に現れる。
彼はネットでロリコンの危ない人と噂されていた。
二人で東京から島根の思い出深い竹やぶまで行くことに。

逃避行はいつか終わる。
予想通りの展開だが、文章がキラキラと光っているのは作者の実力か。

女性作家が男を描く場合、サラサラ感がある人物になりやすい。
不自然さを消すためには、何かの要因が必要。

この作品の場合、それは日傘が必要な男という事情。
作者自身がその点を意識しているのか分からないが、結果的に成功している。

あとがきにもあるように、ブルートレインの「出雲」はなくなった。
サンライズ出雲ではいけないのか。

「すこやかだから」

6年生の涼子が主人公。
元気がある彼女は、生理で冷やかす男子が許せない。

そんな彼女は5年生の男子転校生が気になる。
東京から来たその子は、病気のため咳がひどかった。

作品全体の背景に生理がある。
ジブリアニメ「おもひでぽろぽろ」を思い出した。

お転婆な小学生が、女性らしさを身につける展開。
ドロドロしていないので、とても読みやすい作品。

「ハローラジオスター」

知世は東京から地方にある3流大学に進学。
先輩のノブオとつきあう。

ノブオの声がいいと素直に感じる知世。
やがて二人は別れ、知世は別の男とつきあう。

やがて就職活動の時期に。甘い考えの知世は髪を染めたままで面接さえ受けられない。
そんな中、ラジオからノブオの声が聞こえてきた。

***** **** ***** ****

これらの作品は、単行本とは違っているそうだ。
豊島自身が文庫本のあとがきで書いている。

青い小説を描かせたら、この作家はかなりの実力を示す。
特に表現が上手いわけではない。強く記憶に残る文章もない。

しかしどこか光っている。何冊読んでも飽きがこないのは流石。
このレベルを保つのであれば、読者は彼女の作品を追いかけるはず。

***********************
関連記事

「日傘のお兄さん」豊島ミホ

<面白い>『日傘のお兄さん』 豊島ミホ (新潮社) 

「日傘のお兄さん」豊島ミホ

「日傘のお兄さん」豊島ミホ

***********************

*****トラックバックはテーマに関係するもののみどうぞ。
スパム防止のため承認制です。その場合リンクは必要とはしません。
一部、こちらからはトラックバックを送れないブログがあります。 
コメントについても承認制です。コメントする人は、まず挨拶しましょう。


posted by りゅうちゃんミストラル at 17:33| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/373911162
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック