2013年09月07日

「月と雷」角田光代

いい加減に育った男が、昔一緒に住んでいた女性の母親を探す。
久々の角田作品。
   
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主人公は女性にもてる智。いい加減な母親の直子に育てられた。
30代半ばにして、結婚に向いていないことを知る。

いろんな男に頼るべく、各地を転々とした生活を続けた。
智は誰が父親だかわからない。

智は昔、一緒に茨城で住んでいた泰子のことを懐かしく思い出す。
そして会いに行く。泰子は以前住んでいた家にそのままいた。

気になっていた、母親のことを智に話す泰子。
智はテレビ番組に依頼し、一代は見つかる。

泰子には太郎という恋人がいた。
しかし、何故か智と寝てしまう。そして妊娠。

60を過ぎてなお男の家を点々とする直子。
智の家に来るが、焼酎を飲むことばかりで家事ができない。

飲みすぎもあってか、直子は死亡する。
智と泰子は誕生した娘と3人、東京で新しい生活を始める。

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この作品は、中央公論に連載された。
ハチャメチャな母親とその息子には、最初ため息が出た。
しかし慣れてくるとハチャメチャぶりを喜んでいる自分がいた。

ある特定の人が、自分の人生にどう関係したか。
それを気にするというのが、私には理解できない。
そう思うくらいなら、単純に恨むだけだ。

正直、私はこの作品が好きになれなかった。
理由は、「下流」の生活を描いているのに、悲劇から逃げているところ。

不特定多数の異性と性交渉があれば、HIVなどのリスクがあるはず。
直子ほどの性格なら、借金まみれになることもあったはず。

さらに言えば、智がまともに高校を卒業できたのは疑問。
下流を描くなら、そうした悲劇をもっと描くことが角田にはできたのではないか。

もうひとつ。中盤から終盤にかけて直子の主張が出てくる。
この部分は表現ではなく「説明」になっていないだろうか。
急いで辻褄を合わせた気がして、私は好きになれない。

ところで、この題名はどうなんだろう。
私にはよく理解できない。

読者に読ませる力が角田にはある。
だからこそ、この程度の作品で彼女を賞賛してはいけない。

角田はやはり短編小説がいい。
この作品も、図書館で手にしなければ読むことはなかっただろう。

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角田光代『月と雷』

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posted by りゅうちゃんミストラル at 08:35| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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