久々の角田作品。
【送料無料】月と雷 [ 角田光代 ] |
主人公は女性にもてる智。いい加減な母親の直子に育てられた。
30代半ばにして、結婚に向いていないことを知る。
いろんな男に頼るべく、各地を転々とした生活を続けた。
智は誰が父親だかわからない。
智は昔、一緒に茨城で住んでいた泰子のことを懐かしく思い出す。
そして会いに行く。泰子は以前住んでいた家にそのままいた。
気になっていた、母親のことを智に話す泰子。
智はテレビ番組に依頼し、一代は見つかる。
泰子には太郎という恋人がいた。
しかし、何故か智と寝てしまう。そして妊娠。
60を過ぎてなお男の家を点々とする直子。
智の家に来るが、焼酎を飲むことばかりで家事ができない。
飲みすぎもあってか、直子は死亡する。
智と泰子は誕生した娘と3人、東京で新しい生活を始める。
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この作品は、中央公論に連載された。
ハチャメチャな母親とその息子には、最初ため息が出た。
しかし慣れてくるとハチャメチャぶりを喜んでいる自分がいた。
ある特定の人が、自分の人生にどう関係したか。
それを気にするというのが、私には理解できない。
そう思うくらいなら、単純に恨むだけだ。
正直、私はこの作品が好きになれなかった。
理由は、「下流」の生活を描いているのに、悲劇から逃げているところ。
不特定多数の異性と性交渉があれば、HIVなどのリスクがあるはず。
直子ほどの性格なら、借金まみれになることもあったはず。
さらに言えば、智がまともに高校を卒業できたのは疑問。
下流を描くなら、そうした悲劇をもっと描くことが角田にはできたのではないか。
もうひとつ。中盤から終盤にかけて直子の主張が出てくる。
この部分は表現ではなく「説明」になっていないだろうか。
急いで辻褄を合わせた気がして、私は好きになれない。
ところで、この題名はどうなんだろう。
私にはよく理解できない。
読者に読ませる力が角田にはある。
だからこそ、この程度の作品で彼女を賞賛してはいけない。
角田はやはり短編小説がいい。
この作品も、図書館で手にしなければ読むことはなかっただろう。
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