2013年08月03日

「獣の戯れ」三島由紀夫

人の中にある獣が暴れ出す時。
久しぶりの三島作品。
   

主人公は大学生の幸二。
逸平が経営する西洋陶器店でバイトしている。

ある日、逸平は幸二を誘って酒を飲む。
その席で、妻の優子が嫉妬しない。嫉妬させるようにしていると話す。
この時から、幸二会ったこともない優子に同情し、彼女を好きになる。

逸平が愛人の町子と一緒にいる所に幸二と優子が現れる。
幸二は拾ったスパナで逸平を乱打する。

失語症と右半身の麻痺が残った逸平。傷害罪で幸二は懲役1年5ヶ月になる。
wikipediaには、「2年の刑期」とあるが、これは何かの間違いか?)

自ら退学届けを大学に出した幸二。
伊豆にある温室で働き、逸平と優子との共同生活を始める。

被害者が加害者の身元引受人となる珍しいケース。
散歩の途中、逸平は幸二に「死にたい」と話す。

幸二は逸平を絞殺。前の傷害事件もあり、死刑となる。
共犯として優子は無期懲役の判決を受け、栃木刑務所に収監される。

終わりのほうに出てきた伊豆を訪れたアマチュア民族研究家。
この事件を聞き、興味を持つ。

栃木刑務所まで行き、和尚の代わりに優子と面会する。
3人の墓は同じ場所にあるのだという。

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私が読んだのは、新潮文庫平成四年の四十二刷。
解説は田中美代子。彼女はこう述べている。

「この物語は、リアリズム小説の概念から自由にならなければ解明されない」
(P179から引用)

かなり思い切った割り切り方だ。
しかし、コンプレックスの塊だった三島の作品を解釈するには必要なのかもしれない。

果たして幸二は狂っているのだろうか。
確かに普通の人は人をスパナで殴ったり、絞め殺したりはしない。

しかし、人は誰でも狂う時がある。
だからこそ少しの誤解や数百円の金銭が殺人の原因となる。
私やあなたも、狂って殺人者になるかもしれない。

それにしても幸二と優子の暴走は凄まじい。
彼らが逸平の死後、晴れ晴れとした様子だったというのがとても恐ろしい。

***** **** ***** ****

西伊豆町の黄金崎公園には、この作品の記念碑があるのだという。
まったく知らなかった。

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安良里、三島由紀夫「獣の戯れ」歩き  〜  宝来屋  

↑舞台となった場所を写真を使って紹介。
こうした記事を検索してすぐ読めるのがネットのいいところ。

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posted by りゅうちゃんミストラル at 08:36| 東京 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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