2013年08月21日

「猫鳴り」沼田まほかる

先日の「ユリゴコロ」に続く、沼田まほかるの作品。
3部にわたる、赤トラ猫モンと人の物語。
   
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タイトルの「猫鳴り」は、機嫌の良い時猫が発するゴロゴロのこと。
猫を飼ったことがある方ならよく知っているはず。

<第一部>

40歳にして思いがけず妊娠した信枝。
夫の藤治は喜ぶが、流産してしまう。深い喪失感が夫婦に残る。

そんな夫婦のところに、親とはぐれた子猫がやってくる。
信枝は捨てようとするが、結局飼うことに。

子猫を夫婦の近くに持ってきたのは、アヤメという少女。
あつかましいが、第二部でも登場する。

<第二部>

ここで出てくるのは、不登校の男子中学生。
母親は出て行ってしまった。

父親は作家志望で、息子の行雄に1日800円与える。
「ペンギンの代わり」として、父親は猫を与える。

ペンギンと名付けられたこの猫、行雄は世話を焼くが死んでしまう。
行雄はその後、どうしただろうか。

<第三部>

すでに信枝は病死。残された藤治は大工を引退している。
アヤメは結婚してこの地を去っていた。
老いたモンは、藤治と余生を過ごす。

この作品で思い出したのが、何度も紹介している「虹の橋」。

 

もうひとつが、「くずかごに頭を」。

 

橋の近くで、信枝はモンと藤治が来るのを待っている。
若い獣医師が言うように、老いての死は自然なこと。過剰に悲しむことではない。

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この作品、猫を描いてはいるが大きなテーマは生と死。
ペットロスに苦しんだ経験がある方であれば、引き込まれたに違いない。

前にもブログで書いたが、ペットの最期を描くことに批判的な方がいる。
そうした考えはあって当然だが、死ぬこともまたペットの一部。
ペットの死を描くのは、私は当たり前のことだと考える。

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