私には物足りなかった。ネタばれあり。
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湊といえば、「告白」、「夜行観覧車」、「往復書簡」などいくつかの作品を読んできた。
それは、もう一度「告白」のような驚きを経験したいからだ。
ある作家が言っていたように、最初に印象が残る作品がひとつあるとそれは麻薬のよう。
同じ作家の作品を何冊も読んでしまう。何度か落胆したとしても。
<花>の主人公は梨花。
英会話教室は閉鎖(JAVAはどう見てもNOVAがモデル)され、給料も未払いのまま。
教室の前には生徒が集まってきていた。
しかし彼女には金が必要だった。
祖母がガンの診断を受け、手術費用を工面しなければならない。
「あしながおじさん」のようなKという人物に金を借りる手紙を書く梨花。
祖母はある物が欲しいと言い出す。
<月>は英文科を出ている画家の紗月。
学生時代の友人、希美子から頼みがあると言われる。
二人には何があったのか。
<雪>は伯父が役員をしている建設会社勤務の美雪。
同僚の和弥と結婚した彼女。
伯父夫婦の息子、陽介が事務所を開くと言い出し和弥も加わる。
しかし、コンペ参加の件で陽介が和弥の設計を横取り。
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今まで二文字のタイトルが続いた湊。
自分の殻を壊そうとしているのか。
最後にすべての謎が解ける構造になっている。
これは、最初から計算の上で書かれた作品であることがわかる。
村上春樹とは正反対の書き方だ。
Kの正体や、事故の中身などは予想通り。
ただ、表現ではなく「説明」になってはいないだろうか。
もうひとつ。
白血病が倉田先輩、浩一と2回出てくるけど、その確率は相当低い。
読者を簡単にひきつける方法。それは登場人物が重い病に罹ること。
この方法を連続して2回も使ってしまうのは大いに疑問だ。
また、この作品によって骨髄移植の協力する人は増えたのだろうか。
私は過去何度も献血について呼びかけてきた。
小説を単に娯楽として消費しかしないなら。
それはとてももったいないことなのではないか。
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この作品、フジテレビでドラマ化される。
主役3人は中谷美紀、松下奈緒、戸田恵梨香。
要潤、筒井道隆、草笛光子という出演者。3組を描くのは、映像として難しい気もする。
「告白」で多くの人に知られるようになった湊。
どこか自分で限界を作っているように感じるのは私だけだろうか。
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