2013年07月30日

「花の鎖」湊かなえ

3人の女性を描く異色作。
私には物足りなかった。ネタばれあり。
 
【送料無料】花の鎖 [ 湊かなえ ]

【送料無料】花の鎖 [ 湊かなえ ]
価格:1,400円(税込、送料込)


湊といえば、「告白」「夜行観覧車」「往復書簡」などいくつかの作品を読んできた。
それは、もう一度「告白」のような驚きを経験したいからだ。

ある作家が言っていたように、最初に印象が残る作品がひとつあるとそれは麻薬のよう。
同じ作家の作品を何冊も読んでしまう。何度か落胆したとしても。

<花>の主人公は梨花。
英会話教室は閉鎖(JAVAはどう見てもNOVAがモデル)され、給料も未払いのまま。
教室の前には生徒が集まってきていた。

しかし彼女には金が必要だった。
祖母がガンの診断を受け、手術費用を工面しなければならない。

「あしながおじさん」のようなKという人物に金を借りる手紙を書く梨花。
祖母はある物が欲しいと言い出す。

<月>は英文科を出ている画家の紗月。
学生時代の友人、希美子から頼みがあると言われる。
二人には何があったのか。

<雪>は伯父が役員をしている建設会社勤務の美雪。
同僚の和弥と結婚した彼女。

伯父夫婦の息子、陽介が事務所を開くと言い出し和弥も加わる。
しかし、コンペ参加の件で陽介が和弥の設計を横取り。

***** **** ***** ****

今まで二文字のタイトルが続いた湊。
自分の殻を壊そうとしているのか。

最後にすべての謎が解ける構造になっている。
これは、最初から計算の上で書かれた作品であることがわかる。
村上春樹とは正反対の書き方だ。

Kの正体や、事故の中身などは予想通り。
ただ、表現ではなく「説明」になってはいないだろうか。

もうひとつ。
白血病が倉田先輩、浩一と2回出てくるけど、その確率は相当低い。

読者を簡単にひきつける方法。それは登場人物が重い病に罹ること。
この方法を連続して2回も使ってしまうのは大いに疑問だ。

また、この作品によって骨髄移植の協力する人は増えたのだろうか。
私は過去何度も献血について呼びかけてきた。

小説を単に娯楽として消費しかしないなら。
それはとてももったいないことなのではないか。

***** **** ***** ****

この作品、フジテレビでドラマ化される。
主役3人は中谷美紀、松下奈緒、戸田恵梨香。
要潤、筒井道隆、草笛光子という出演者。3組を描くのは、映像として難しい気もする。

「告白」で多くの人に知られるようになった湊。
どこか自分で限界を作っているように感じるのは私だけだろうか。

***********************
関連記事

読書日記269:花の鎖 by湊かなえ

『花の鎖』 湊かなえ  

花が繋ぐ

『花の鎖』湊かなえ

花の鎖 | 湊 かなえ

***********************

*****トラックバックはテーマに関係するもののみどうぞ。
スパム防止のため承認制です。その場合リンクは必要とはしません。
一部、こちらからはトラックバックを送れないブログがあります。 
コメントについても承認制です。コメントする人は、まず挨拶しましょう。


ラベル:花の鎖 湊かなえ
posted by りゅうちゃんミストラル at 08:45| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック

『花の鎖』湊かなえ
Excerpt: 「花の鎖」湊かなえ 文藝春秋社 2011年(初出別冊文藝春秋) 謎のKという人物から贈られる花束。祖母の手術のお金がかかる、勤務していた英会話学校がつぶれた女性による語り。幸せな結婚をしている女性..
Weblog: ふるちんの「頭の中は魑魅魍魎」
Tracked: 2013-07-31 13:42