2013年08月17日

「ダークルーム」近藤史恵

身近にある恐怖を用いた短編集。
近藤は、「サクリファイス」「エデン」「サヴァイヴ」などの作品で知られる。
   
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「マリアージュ」

高級フレンチレストランに毎日通う美女は誰なのか。
シェフの内山は気になって仕方ない。

ある日、店の外で彼女を見かけた内山。
意外な事情を彼女は話す。

高い料理を出す店は多くある。
しかし、人生を賭けた食事にふさわしい店は、どのくらいあるのだろう。

「コワス」

恋人の明充に捨てられた女性は飛び降り自殺する。
明充の新たな彼女、貴佐の様子がおかしい。

「SWEET BOYS」

友人の涼子が、育児ノイローゼで自殺する。
不審に思った真紀は、真相を追う。

これも怖い話。
何故なら「こんなことない!」と言い切れないから。
幽霊や宇宙人より、人間のほうが怖い。

「過去の絵」

舞台は南河内芸術大学。
牧が画家の伯父だった小野寺一の作品を盗作したとの疑惑が持ち上がる。

作者の近藤史恵は大阪芸大を出ている。
山本寛斎、浅井慎平、大森一樹、里中満智子、永井豪、眉村卓、増田明美。
島田歌穂や細川俊之など教授陣は多彩。

自分に才能が無いと気がつく学生のことを描写した部分はとても胸が傷む。
どれだけの学生が、現実に気がついて大学を去っていったのだろう。
芸術系の学校というと、「京都ゲイタン物語」(大原由軌子)を思い出す。

「水仙の季節」

10代の新人モデル、深山姉妹の写真集を担当することになった木下。
姉妹のマネージャーが殺害されるという事件が起きる。

女性作家が描く男は、どこかスマートでギラギラ感がない。
ミステリーになっているが、やや消化不良な作品。

「窓の下には」

マンションの4階に住む久美が主人公。
祖母の目があるため、室内にいることが多い。

下の階に、ウサギを飼っている女の子一家が引っ越してきた。
久美はわざと物を落とし、その子と仲良くなれないかと計画する。

落としたのは誕生日に買ってもらった人形。
それを取りに行くと、敵意のある目が待っていた。

出来すぎの感はあるものの、こうした悲劇は実際に起きてるに違いない。
子どものうちに、こうした事件を経験するとトラウマになるだろうな。

「ダークルーム」

京都にある写真専門学校に通う男。
背の高い高倉榊という女子学生の才能に気がつく。

暗室を無制限で使いたい二人は、ルームシェアすることに。
しかし榊は突然消えてしまう。

これも「過去の絵」と同じく芸術系の学校が背景にある。
私には縁のない世界だけに、そんなものかと思う。

指輪を印画紙に写すというのは意味があるのだろうか?
デジカメで指輪を撮影するのとどこが違うのか。

「北緯六十度の恋」

文庫本のための書き下ろし作品。
年上の恋人園子と、北欧からロシアへの旅行に出かけた多佳子。

彼女はある計画を立てていた。
それは、自殺した弟の復讐だった。

しかしヘルシンキでパスポートを失くしてしまう。
さらに、園子までいなくなる。

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こうした短編ミステリーでまず思い出すのが宮部みゆき。
近藤の作品たちを読みながら、私は「宮部ならどう描くか」と想像した。

近藤は、いろんな引き出しを持つ作家。
今後も読む価値はある。

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『ダークルーム』 近藤史恵

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posted by りゅうちゃんミストラル at 09:03| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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