2013年08月18日

「ユリゴコロ」沼田まほかる

幸福だったのに、いつの間にか不幸が連続して起きている男、亮介。
実家の押入れで連続殺人の記録を見つける。ネタばれあり。
   

この作品、ページ数から2日に分けて読もうかと思っていた。
しかし先が気になり、途中でやめられずイッキ読み。
多くの読者が似た読み方をしていたのではないか。

亮介は、ドッグランを併設している会員制の喫茶店を経営。
恋人もいて、幸福のはずだった。

しかし、恋人が謎の失踪。父親も末期がんの診断を受ける。
さらに、母親が交通事故で亡くなる。

どうしてこんなことになってしまったのか。
実家に父を尋ねると不在で、押入れからノートが見つかる。

それは、狂った人間が書いたとしか思えない連続殺人の記録だった。
「人を殺してみたかった」という報道を見ると、この作品を思い出すだろう。

細谷さんの正体は途中で読めてしまった。
無茶な部分はあるが展開から考えて他にはないだろう。この部分が残念。

先を読者に考えさせる終わりの部分。
いろんな想像ができる。

母親が代わったという印象。
弟と比較して、母親と似ていない点など。
伏線を張っているのはミステリー小説でよく見られる手法。

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この作品、残酷さがとても際立っているが、描かれているのは家族。
そのことは忘れないようにしたい。

この作家、初めてだが読者を惹きつけるものを持っている。
粗さとか足りない部分とか、今はなるべく語らないでおく。
別の作品を探して読んでみたい。

2012年の本屋大賞6位なのも納得。大賞は「舟を編む」(三浦しをん)。
人質の朗読会」(小川洋子)が5位だった。

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「ユリゴコロ」沼田まほかる 感想  

ユリゴコロ | 沼田 まほかる

ノートに語られた、

ユリゴコロ

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posted by りゅうちゃんミストラル at 16:27| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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