軽く読める書き下ろし作品。貫井作品は「灰色の虹」以来。
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PART1<In the high school>
主人公の栄美(エイミー)はアメリカ育ち。
高校3年で日本の高校に編入した。
同じクラスの飛鳥部が気になる。彼は勉強もでき、背も高い。
アメリカの暮らしに興味を持つ彼はエイミーをデートに誘う。
ところが、二人が会うのを誰かが妨害している。
やがて、飛鳥部は受験を理由に冷たくなる。
クラスには小金井という男もいた。
彼は、父親が大麻密売で逮捕されたことから、クラスメートたちに避けられていた。
PART2<At Roppongi>
主人公の大学生は、生きた英語を学ぶため六本木に立つ。
単なる親切ではなく、最後にはチップをねだる。
そこに現れたのは、アンディ。捨て猫の飼い主を探していた。
仕方なく彼の手伝いをすることに。この件がきっかけで、二人は一緒に行動する。
PART3<In the university>
大学生になったエイミー。
サークルに入るべく、いろいろと説明を受ける。
友達と一緒に検討していた、軽薄な先輩のいるサークル。
飲み会に行こうとしていたら、「危険だ」と山崎と名乗る男に止められる。
その後も、エイミーを追いかける先輩から守ってくれる山崎。
意外な話をすることですべての謎は解決。そういうことだったのか。
危険なサークルについては、「スーパーフリー事件」を思い出す。
似たことは今でもあるんだろうなあ。
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叙述に騙された読者は多かったはず。
私もその中のひとり。最初、六本木の彼は飛鳥部だと思っていたくらい。
「灰色の虹」と比較しても、その薄さは際立っている。
しかも、未来に希望が残る結末。こうした作品を貫井は書きたかったのだろう。
ただ、設定がいかにも不自然。
「似た女性」を使うあたりは「嘘だあー」とつぶやいてしまった。
携帯電話のSIMカードを入れ替えるのも解せない。
山崎が言う「バトン」は、映画「ペイフォワード」を思い出す。
明日の天気は自分が決める。エイミーは誰にバトンを渡すのか。
今日まであなたが無事に生きてこられたのは。
誰かが守ってくれていたからかもしれない。
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貫井徳郎「明日の空」読了。青春叙述ミステリの良作、面白かったですね。
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