2013年06月29日

「家族ずっと」森浩美

作詞家としてヒットを連発した森。
家族を描く第五弾。
   
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今まで森の作品は、「こころのつづき」「ほのかなひかり」「夏を拾いに」
そして「家族の言い訳」「こちらの事情」などを読んできた。

「父ちゃんとホットドッグ」

腕のいい大工の父が肝硬変で入院した。
弟に見舞いに行くよう言われた主人公の男。

昔、父とホットドッグを食べに行ったことを思い出す。
食べ物の記憶は、結構深く刻まれるもの。

「ピンクのカーネーション」

由貴は離婚後に同僚と再婚した。
夫は前妻と死別し、早紀という娘がいる。
参観日、早紀は由貴の顔を描く。

日本中に、こうした家族は結構いるんだろうなあ。
実の母親と比較されるのは、結構辛いものがある。

「七夕生まれ」

40代も終わりが近い主婦が主人公。
奥さん連中とテニスに通う。

誕生日すら家族は覚えていない。
反抗作戦に出る。

妻となると、誕生日は覚えてくれていないものなのだろう。
主婦がこの作品を読んだら、「そうそう!」と深く同意するに違いない。

「だめもと」

妻が湯布院旅行に行けなくなった。
夫は娘二人(高二と中二)を連れて行くことに。

いくら何でも、思春期を過ぎた娘たち我一緒に風呂に入るとは思えない。
世の父親は、こうしたことを「だめもと」だとしても試さないほうがいい。

「裏窓の食卓」

バス会社の営業所長が主人公。
娘とはうまくいかない。妻とは死別。
聞こえてくる近所の家族と「会話」する。

孤独な父親というのは、この世にどのくらいいるのだろう。
似た境遇の人が多いからこそ怪しげな商売が儲かったりするに違いない。

「埋めあわせ」

勤務医の男が主人公。
兄のスペアとして父の言うとおり医学部に進んだ。

先輩から依頼され、山梨の病院に通うことに。
そこで、徳田という老人と出会う。

徳田は会うと飲み物をくれる。
彼には医師を目指した息子がいた。しかし事故死。

徳田と出会ったことで、この主人公は医師として存在価値を持ったはず。
しかし、その存在価値は何も医師だけには限らない。

「ぶかっこうなおにぎり」

建設資材メーカー勤務のキャリアウーマンが主人公。
田舎から、父親がやって来る。

仕方なく、自宅マンションに泊めることになった。
朝起きると父親の姿はなく、不恰好なおにぎりができていた。

これも「父ちゃんとホットドッグ」と同様、食べ物がテーマ。
不恰好なおにぎりは、深く記憶に残る味だったろう。

「サンタ失格」

携帯端末メーカー勤務の男が主人公。
妻と冷却期間を置くため、息子とも離れて暮らす。
ある日、息子から電話で、「サンタはいないの?」と訊かれる。

偽者サンタとなった男は、以前住んでいた家にプレゼントを持って行く。
希望の残る終わり方が爽やか。

***** **** ***** ****

世の中には、実に多くの家族がある。
その家族を切り取って描く森。

彼の作品は、多くの入試問題として採用されている。
あとがきで、森はこう書いている。

「そして願わくば、受験生だった人たちが”問題文”ではなく”小説”として、いつか手にしていただけたらうれしいです。」
(あとがきより引用)

同感だ。彼の作品は本来、「楽しむ」もの。
入試のための文章として記憶するだけならもったいない。

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posted by りゅうちゃんミストラル at 17:48| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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