2013年07月11日

吉田昌郎(福島第一原発元所長)を英雄視する危険

福島原発元所長、吉田昌郎氏が亡くなった。
「彼に国民民栄誉賞を!」という意見がある。私には大いに疑問だ。

   目

福島原発元所長、吉田氏亡くなる

吉田氏を英雄視し、国民栄誉賞にふさわしいと訴えているのはこうした意見。

吉田昌郎元福島第一原発所長に国民栄誉賞を

 吉田所長に対する追悼記事の中には、「原子力発電を推進した」とか、「津波対策を先送りした」とか「功罪」なかばするものがある。

 しかし彼こそが海水注入を断行し原発事故が最悪になることを防いだ人物である。

(上記の記事から引用)

批判が多かったということで、こうした記事も載せている。

吉田昌郎元福島第一原発所長に国民栄誉賞を!(続)

 吉田昌郎元福島第一原発所長を褒め称えた前回のブログに対して猛烈な批判の声が寄せられた。

 英雄視するなどとはとんでもない事だ。

 彼は真実を語っていない。

 メディアがこぞって彼を褒め称えるのはその証拠だ。

 「死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発の五〇〇日」を執筆したジャーナリスト、門田隆将(りゅうしょう)氏がマスコミに出て吉田所長を褒め称えるのは権力側のヤラセだ。

 などなど、激しい怒りの声が寄せられる。

 当時の状況に詳しい者や、原発事故に詳しい反原発者から見ればそうかもしれない。

 原発に門外漢の私がいきなり国民栄誉賞などと言い出したのは軽卒だったかもしれない。

 素直にその非を詫びて撤回させていただく。

(上記の記事より引用)

その後、こう書いている。

しかし私はそのように吉田昌男郎氏を悪し様に言う人たちとは異なる人間である。

 彼は紛れもなくあの究極の異常事態において身を堵して頑張った人だったと思う。

 海水注水を断行してさらなる悪化を防いだ人だ。

 たとえそれが東電を守ることであったとしても、そして原発推進をしてきた自身の自己弁護であったとしても、その行動を批判することなど私にはできない。

 そして彼は不意の病に見舞われて志半ばで死んでいった。

 さぞかし無念だったことだろう。

 そんな吉田昌郎氏を悪し様に言う。

 私はそういう人たちとは異なる人間である(了)

(同じく上記の記事より引用)

吉田氏を英雄視する危険については、こんな記事もある。

吉田昌郎所長の功罪と東電の責任
 
すぐに私が思いつくのは、何かを英雄視することで物事の判断をしにくくなる。
視野が狭くなるという点。

その昔、戦死者を「軍神」として扱い、戦意高揚に利用するという事があった。
何かといえばヒーローをつくり上げる。
そのことが原発事故の検証から目をそらすことにはつながらないのか。

吉田氏自身が津波対策を行なっていたなら。
福島原発事故の規模はもっと小さくなっていなかったのか?

では、吉田氏は何をすべきだったのか?
「福島原発事故は何故起きたのか?」
「津波対策はどうして行われなかったのか」

この点は、以下の東京新聞の記事も書いている。

原発事故で現場指揮/核心語らず 吉田昌郎元所長 死去(東京新聞)

注目は以下の点。

 吉田氏は政府事故調の聴取に応じ、事故対応のほか、原子力設備管理部長だった〇八年に福島第一原発を巨大津波が襲う可能性があると試算していたのに、対策を取らなかった経緯も説明した。しかし、聴取記録は公表されていない。
(上記東京新聞の記事から引用)

菅元首相は、彼のついてこう言っている。

「原発事故が拡大しないで済んだのは、吉田氏によるところが大きかったと思う」
(同じく東京新聞の記事から引用)

日本には、「死んだ人を悪くわない」という不文律がある。
そのことは意味があるとは思うが、「人の住めない土地」を作り出した未曾有の事故。
となれば、「公人」として扱い是々非々で語るべきではないのか。

本店の指示に反し、海水注入を支持したのは英断だ。
それは認めよう。

だが、原発事故の総括もできないのに個人を英雄視する。
日本というのはとても変わった国だ。

吉田氏を英雄視することを、私は危惧する

その前に、原発事故の総括をすべきだ


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