2013年06月28日

「麒麟の翼」東野圭吾

殺人事件に隠された背景は何か。
元教師の刑事、加賀恭一郎が事件の真相に迫る。ネタばれあり。
   
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加賀のシリーズは「卒業」「悪意」「赤い指」「新参者」に続いて5冊目。
相変わらず、リーダビリティ(読み易さ)という点では流石の出来。

日本橋で胸を刺された中年男が見つかった。
近くにある地下道が犯行現場らしい。

被害者は建築部品メーカーの本部長。
やがて、八島という男が被害者の財布や免許証を持っていたことで疑われる。
しかも八島は被害者のいた会社で派遣切りとなっていた。

だが八島は職質されると道路に飛び出して交通事故に遭う。
捜査本部は八島が犯人という筋書きで解決に持っていこうとする。

加賀は幹部の考えとは別に、被害者の足取りを地道に追う。
そこに事件の真相があると信じて。

工場での労災隠し、水天宮、黄色の紙。それらが一点につながる。
ついに加賀と松宮は、3年前の事故にたどり着く。

***** **** ***** *****

この作品に関しては、多くのブロガーが記事を書いている。
なので、ここでは変わったことを書きたい。

もし、加賀が桜宮高校の教師だったら。
バスケ部体罰自殺事件を止められたかもしれない。

もし、時津風部屋力士暴行死事件を知っていたら。
もっと早く真相解明が出来ていたに違いない。

もちろん加賀は架空の人物。しかし、誰もが加賀になることができる。
逆に、誰もが事実を隠した糸川にもなる。

日本には、多くの隠された事実があるはず。
ひとつの嘘をつくために、その後にトラウマや歪みが生じる。
それをこの作品は訴えている。

加賀の名言が記憶に残る。

「殺されても仕方のない人間なんて、この世には一人もいません」
(P136より引用)

↑この発言は間違っているんじゃないか。
何故なら、少なくとも日本には死刑がある。

死刑囚は、「殺されても仕方のない人間」なのではないか。
いくら加賀とはいえ、刑事によるこうした発言は説得力がない。

「殺人事件ってのは、癌細胞みたいなものだ。ひと度冒されたら、苦しみが周囲に広がって
いく。犯人が捕まろうが、捜査が終結しようが、その侵食を止めることは難しい」

(P190より引用)

↑この言葉は重い。八島の死は確実に防げた。
実際に死ななくていい人間が、殺人事件によって死んでいる。

***** **** ***** *****

この作品、阿部寛主演で公開された。
読む際、どうしても加賀は阿部寛をイメージしてしまう。

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↑キリンを含め、作品に出てくる場所を写真で紹介した記事。
こうした記事をすぐに見られるのは、ネットのいいところ。

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