読んでいてしみじみ、時に泣ける。
【送料無料】こころのつづき [ 森浩美 ] |
森浩美と言えば、今まで「ほのかなひかり」、「家族の言い訳」。
そして「夏を拾いに」「こちらの事情」を読んできた。
「ひかりのひみつ」
まったく思い出がない実の父親は病死したと母が言っていた。
しかし母親の再婚相手から生きていると聞かされ、会いに行く結婚前の女性。
父親は軽井沢でホテルの社長をしていた。
「シッポの娘」
イベント会社を興した男。
娘の学校で飼っていた犬の子をもらうことに。
サラと名づけられたその「娘」は、もうすぐ5歳で急死。
「虹の橋」を思い出す内容。
「迷い桜」
35歳の娘は仕事に生きる。
母親と川津に桜を見に行く1泊旅行に出かけた。
母と娘の会話を男が描く。
私には書けない作品だ。
「小さな傷」
ガンの再発した伯母から託されたレコード。
代役として同窓会に出ることに。
サイモン&ガーファンクルは懐かしい。
ついでのこの曲も紹介する。
「Fの壁」
離婚した男の所へ、中二の息子がやって来る。
文化祭に向け、ギターを習いたいとのこと。
イーグルス「ホテルカリフォルニア」はかなり古い。
離婚経験がある人は、共感できる話かも。
「押し入れ少年」
中学生の主人公は、以前ウンコ漏らした件で同級生から脅されている。
万引きまでやらされることに。
その現場を、ホームレスの男に見られ止められる。
何事にもきっかけというものがある。
「ダンナの腹具合」
妊娠七ヶ月目の主婦。
夫は年下で、すぐに腹を下す。
姉御肌の妻からすると、頼りない夫。
しかし会社の業績悪化で早期退職を考えていた。
「お日さまに休息を」
義母の介護をする女性。
こうした会話が多いと、日本は平和になるんだろうなあ。
***** **** ***** ****
各エピソードは、次の作品とつながっている。
「その日のまえに」(重松清)を思い出すが、つながりはかなり弱い。
さすが森、家族を描かせたら質の高い作品を見せてくれる。
家族に不信感を持ったら森の作品を読むといいかもしれない。
だが、「森ならもっといい作品が書ける」と厳しい目で見てもいい。
そのくらい、期待をかける価値のある作家だ。
***********************
関連記事
本・森浩美 「こころのつづき」
こころのつづき
『こころのつづき』森浩美
***********************
*****トラックバックはテーマに関係するもののみどうぞ。
スパム防止のため承認制です。その場合リンクは必要とはしません。
一部、こちらからはトラックバックを送れないブログがあります。
コメントについても承認制です。コメントする人は、まず挨拶しましょう。
【関連する記事】

