講談社文庫 あ1−3【1000円以上送料無料】薮の中/芥川龍之介 |
「藪の中」
侍が殺された事件。一緒にいた女や、捕らえられた男など、証言が続く。
死んだ侍も口寄せにより話す。
その内容は、人によりかなり異なる。
誰もが本当のことを話すとは限らない。
真実はどこにあるのか。
論争になっているが、はっきりとした答えは出ないだろう。
「羅生門」
寂れた羅生門には、遺体が運び込まれる。
仕事を失った下人が佇んでいると、老婆がやって来る。
遺体から髪の毛を抜く老婆。訊けば、鬘を作るのだという。
下人は追剥となって老婆の着物を奪う。
短い文章の中に何を見るか。
これも、解釈がいろいろできそう。
「地獄変」
大殿の命により、屏風に地獄を描く絵師の良秀。
女を乗せた車に火をつけなければ、描けないと彼は言う。
語り部は誰か。そして信用できるのか。
この作品についてはすでに記事として書いた。
「「蜘蛛の糸 杜子春」」についても先日、岩波ワイド版の記事で書いた。
「鼻」
内供の鼻は大きく、五六寸もある。まるで腸詰めのようだ。
弟子の僧が、医者から鼻を小さくするという方法を訊いてきた。
それは、鼻を湯で熱し踏むというもの。やってみると鼻は小さくなった。
しかし小さくなった鼻を人に笑われる。
その後、鼻は再び以前のように大きくなった。
内供は、もう笑われることがないと安心する。
ここに出てきた鼻とは何か。いろいろと解釈があるだろう。
誰もが持つコンプレックスと考えることができる。
日本人特有の「恥の文化」ということも考えられる。
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