日本の危うさを感じる。
ヘイトスピーチ―憎悪の言葉であおるな(23日朝日社説)
このヘイトスピーチについては、過去何度か記事に書いた。
「在日はゴキブリ」在特会の狂気
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今回の件で、関東大震災の時多くの朝鮮人を守った大川常吉氏のことを思い出す。
当時、大川氏は鶴見警察署長だった。
震災で多くの犠牲者が出る中、「朝鮮人が井戸に毒を入れた」という噂が立った。
300人の朝鮮人が鶴見警察署に逃げた。
そこへ、1000人の日本人が「朝鮮人を出せ!」とやって来た。
大川氏はこう言った。
「朝鮮人を諸君には絶対に渡さん。この大川を殺してから連れて行け。そのかわり諸君らと命の続く限り戦う」
(wikipediaから引用)
こうも言った。
「毒を入れたという井戸水を持ってこい。その井戸水を飲んでみせよう」
(同じく引用)
実際はもっとぎりぎりのやり取りが続いたという。
神話から史実へ・・・大川常吉鶴見警察署長
だが300人の朝鮮人を守ったことは事実。
簡単には真似のできない勇気ある行動だ。
間違って欲しくない。
「大川氏は英雄だ」でこの話を終わらせないでほしい。
確かに大川氏は英雄だ。勇気ある行動で多くの人を救ったのだから。
しかし、「朝鮮人を出せ!」という要求をした人たちがいなければ。
大川氏は英雄にならなかった。「普通の警察署長」だったはず。
「普通であることの大切さ」を考えてほしい。
必要なのはヒーローではない。「朝鮮人を出せ!」などと騒がないことだ。
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外国人など、自分とは違う者を憎む風潮は日本だけでなく各国にある。
その結果が悲劇につながった例は多い。
ドイツではかつて、「水晶の夜」という事件があった。
ユダヤ人襲撃事件のことだ。ホロコーストへの転換点になったと言われる。
ヘイトスピーチが起きている日本の状況は、水晶の夜一歩手前ではないか。
そのくらい、私は危機感を持っている。
もちろん、「在日憎し」の考えを持っているのはごく一部の人たちだけだろう。
だが、歴史を見ればその一部こそが危険なんだ。
もし大川氏がヘイトスピーチを聞いたら、どう言うだろう。
国籍は違っても、隣人に変わりはない。そのくらい理解しよう。
ヘイトスピーチをしている人
あなたは大川常吉と同じ日本人?
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