2013年05月26日

「共喰い」田中慎弥

父親と同じく女性に暴力を振るうことを恐れる高校生。
第146回芥川賞受賞作。
   
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舞台は山口県下関市の川辺地区。
17歳の高校生、遠馬が主人公。

産みの母は別居している魚屋の仁子。右手の手首から先がない。
今同居しているもうひとりの母は琴子。

彼にはひとつ年上の彼女がいる。
セックスしたがりの彼。

父の円(まどか)はセックスの際、女性を殴る。
自分もそうなるのかと悩む遠馬。

やがて問題ある父親を、母の仁子が殺す。
DV男の末路というわけか。

生理と鳥居の関係は、「ケガレ」なんだろう。
今でも場合によっては気にする人は多いのか。

文章は短文を多用し理解しやすい。
地味ではあるが、表現が多彩なのは作者に才能を感じる。

特に川の情景がよく伝わってくる。方言も地方の色が出ていて効果的。
小説は、何も広い世界を見ていなくても書けるし成立することを証明した。

「第三紀層の魚」

今度の主人公は小学生の信道。
関門海峡が舞台として登場する。

祖父が自殺。父親は病死した。
祖母は曾祖父の介護をしている。

最近衰えが目立つ曾祖父。
下血で入院した後亡くなる。

かしわうどんの店を東京に出すため、母は引っ越そうと相談する。
信道母親の提案に同意する。

どうしてこの題名を選んだのか。
「勲七等のチヌ」でよかったのではないか。

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作者の田中は下関の工業高校を卒業。
一切の職業を経験しなかったという。

芥川賞が決まった際、こう言った。
「都知事閣下と東京都民各位のために、もらっといてやる」
wikipediaより引用)
この発言も何かと話題になった。
苦役列車」で芥川賞に選ばれた西村賢太を思い出す。

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Excerpt: 「共喰い」 「第三紀層の魚」 第146回芥川賞受賞作品という看板に惹かれて手に取った一冊。 中味は2編の小説からなっている。 芥川賞を受賞したのは、そのうちの「共喰い」。 芥川賞は主に純文学の新..
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