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乾くるみの作品は、「リピート」と「イニシエーション・ラブ」を読んだ。
始まりは2006年。
14歳の中学生レポーター、羽鳥亜里沙は「科学のちから」に出演。人気があった。
番組の取材で、ある研究所に行く。
そこは、人間の冷凍睡眠を可能にしていた。
八田所長の意味不明な判断で、長い眠りに入った亜里沙。
そして2036年の日本。
大統領制で1万円札には昭和天皇の肖像。
5千円札は豊臣秀吉、千円札は上杉鷹山だった。
天皇制はどうなったのか。
憲法は改正され、自衛隊が軍になった。
1ドルは40円という円高。アベノミクスはどうなった?
ノーベル賞受賞者になった44歳の戸松と隠匿生活に入る亜里沙。
覚醒は上手くいったかに見えたが、段々と体調が悪化する。
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この作品は、2010年に出ている。つまり東日本大震災の前。
作品では大きな地震が2回起き、多くの犠牲者が出ている。
もし、テーマが人体の冷凍保存でなければ。
原発の危険性にもっと踏み込んでいたら、もっと作品は注目されただろう。
作品に出てくるバロベルデ原発は、アリゾナ州に実在する。
話の中では2015年にテロ事件が起きることになっている。
実際は、別のことで問題視された。気になる人は検索すべし。
冷凍睡眠については、「夏への扉」(ハインライン)が有名。
日本でも、「モルフェウスの領域」(海堂尊)で扱われている。
途中から亜里沙が二人出てくるのは何故か。まるでパラレルワールド。
作者が「捻り」を見せたところは工夫がある。
細かいことだが、軍の階級に疑問あり。
少佐と一尉というのがいるのはおかしくないか。
「少佐と少尉」又は「一尉と三佐」が正しいのではないか。
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